ナリス化粧品は、液状の日焼け止めでありながらサラサラ感を感じる粉体を高配合した日焼け止めの処方開発に成功し、特許登録に至った。これにより、ミスト状・スプレー状の日焼け止めの使用感向上に寄与するようになった。

前腕内側部へ塗布直後のべたつき感の比較 紙片の付着を確認 (左:乳化系の液状日焼け止め 右:研究品)

近年、一年を通して夏の期間の長期化と猛暑化傾向にある環境下において、日焼け止めは今や老若男女を問わず多くの人に使用されるアイテムとなっている。各社の研究開発によって現在ではクリーム・ジェル・ミルク・ミスト・パウダーなど多種の剤型の日焼け止めアイテムが製品化されているが、同社では1993年にエアゾールタイプのスプレー状で噴霧することで広範囲に塗布できる日焼け止めを発売するなど、早くから日焼け止めの新しい剤型の研究を行ってきた。

近年の日焼け止めの研究テーマとしては、塗布時の簡便性や心地よさとその持続性や耐水性など、より快適に使用できる品質を生み出すことに注力している。快適な使用感を演出するためにはサラサラ感を感じさせるための粉体を安定的に配合する技術が問われるが、高濃度配合すると粉体が沈降して固化するため、使用感の悪化やスプレーの噴射時に詰まるという問題が生じ、高配合することは困難だった。

今回の特許登録技術の内容は、塗布時の心地よさと耐水性の向上を目指したものである。液状の日焼け止めは、肌に噴霧した後に乾くことで肌への密着性・定着性を実現する必要があり、これまでの乳化物ベースの日焼け止めは、この点において改善の必要があった。そのためには乳化系から油系に変更してアルコールを配合する方法が考えられるが、アルコールを配合するだけでは粉体が沈降・固化してしまい、ミスト化して使用することができない状態に陥る。また、アルコールの比率が高くなると消防法上の危険物となり、貯蔵や取り扱いに厳しい設備基準が適用される。

同社では、特定の界面活性剤と油性ゲル化剤を組み合わせることで、一般的な化粧品製造設備での製造を可能にし、粉体を高配合して安定させる技術を確立した。さらにこの技術は耐水性にも優れていることを確認している。

耐水性の確認

着色した研究品を塗布30分後にティッシュで10回擦り取ったもの

【特許登録番号】7844308

【登録日】2026年4月3日

【名称】日焼け止め化粧料

【発明者】ナリス化粧品 研究開発部 伊達正剛