ナリス化粧品は、洗浄料に求められながらも相反する「メイクや皮脂の汚れ落ち」と「肌に残る保湿感」を両立する、メイクも落とせる洗顔料の処方開発に成功した。この処方は、泡立ちや泡質がよく洗い流し性も高いため、肌に対する刺激が少ないものだ。

泡立てた研究品が消泡することなくメイク汚れを自発的に吸い上げている様子

同社では、1970年代に女性の社会進出を背景として多機能化粧品の開発に着手し、これまで進化を続けている。なかでもメイク落としと洗顔料の両方の機能を併せ持つ「ダブルクレンジング」と呼ばれるフォーム状の洗顔料は80年に初めて発売後、半世紀近く向上するメイクの持続力といたちごっこのような開発をしてきた。洗浄力をあげることは肌に必要な潤いまで洗い流してしまうことになり、乾燥に繋がるため、単なる洗顔料よりも難易度の高い処方開発分野と言える。

今回の研究では「コアセルベート」と呼ばれる、これまでシャンプーなどの処方に用いられてきた技術を洗顔料に応用している。コアセルベートとは、保湿成分である高分子と洗浄成分である活性剤が絡み合った複合体で、洗浄料が水で希釈される際に生成される。

同社では今回初めてこの技術を応用した洗顔料の処方化に取り組んだ。複数の高分子と活性剤の組み合わせから、コアセルベートが発現する組み合わせを探索した。さらに、このコアセルベートの生成量を増大させる成分をスクリーニングした結果、クレンジング力を向上させる成分にコアセルベート生成促進効果を見いだした。この組み合わせの発見により、本来トレードオフの関係であるクレンジング力と保湿感の両方を大幅に向上させることに成功した。

検討した高分子

新処方について、使用前と使用後30分までの角質水分量の変化と経皮水分蒸散量の変化を確認した。ともに同社のこれまでのダブルクレンジングフォームの処方と比較して、改善されており、洗浄後の保湿感が保たれた処方であることが分かった。

タイパが求められる昨今、多機能の化粧品は増えているが、多機能にすることでそれぞれの機能が劣るという意識を持つ人も多く存在すると同社は考えている。同社では約50年に及ぶ多機能コスメの研究のなかで、よりそれぞれの機能の充実化を目指し、忙しい人を応援できるような化粧品の開発に努める。