花王スキンビューティ第1研究所は、皮脂中に含まれるRNA(皮脂RNA)を解析し、顔と頭皮でRNAの発現パターンが類似することを明らかにした。
今回の研究成果の一部は、2025年12月3~5日に神奈川県で開催の第48回日本分子生物学会年会にて発表した。
花王はこれまでに、皮脂RNA発現情報に基づく肌タイプを顔画像から推定する「肌遺伝子モード判定」技術を開発している。今後は、肌遺伝子モードを頭皮にも応用する検討を進めていく。
花王は、19年に皮脂中にRNAが存在することを発見し、あぶら取りフィルムで肌を傷つけることなく顔の皮脂を採取し、そこからRNAを抽出して網羅的に解析する「皮脂RNAモニタリング」技術を開発した。さらに、皮脂RNAの発現情報から顔について少なくとも二つの肌タイプに分類が可能で、一つは「角化」など皮膚バリア機能を担う遺伝子が、もう一つは「免疫応答」などの皮膚免疫機能を担う遺伝子が高く発現する特徴を見いだしている。
花王はこれまで、主に顔の皮脂を用いて知見を蓄積してきたが、皮脂RNAは頭皮からも取得できる。頭皮は顔と基本的な構造や機能に共通点が多いものの、その詳細な解析はこれまで十分に行われていなかった。
そこで今回、この技術を活用し、同一人物における顔と頭皮の皮脂RNA発現情報を解析した。
日本人女性33名を対象に、顔および頭皮から同時に皮脂RNAを採取し(23年1~2月に20~49歳を対象に実施)、得られた約2万種類の各RNAについて、平均発現量を部位ごとに算出した。両部位のRNA発現プロファイルの類似性をスピアマンの順位相関で評価した結果、非常に強い相関を示した(図1)。このことから、どの種類のRNAが相対的に高く(あるいは低く)発現しているかという発現パターンが、顔と頭皮で類似することが明らかになった。






















