花王は2月20日、東京・日本橋において、乾燥性敏感肌を考えた総合スキンケアブランド「Curél(キュレル)」に関する新事業説明会を開催。花王独自のFine Fiber Technology(ファインファイバーテクノロジー)を活用した新製品と新たなビジネス展開について明らかにした。

乾燥性敏感肌に向き合うダーマコスメブランドへと進化する

新製品として発売するのは、肌上に極薄ヴェールをつくる化粧液「キュレル 着る角層ケア〈カートリッジ〉」(1品目・6600円)と、同商品をセットして極薄ヴェールをふきつける専用機器「ヴェールクリエイター」(1品目・2万9700円)。極薄ヴェールを肌にまとう〝着る角層ケア〟という新たな発想のスキンケアを提案し、深い乾燥悩みを抱える生活者に寄り添うことで、乾燥性敏感肌を考えた総合スキンケアブランドとしての存在感をさらに高めていく。いずれも4月4日に花王公式オンラインショップMy Kao Mallにおいて発売する。

「キュレル」は、発売以来、皮膚科学研究のもと一貫して「セラミド」の機能に着目し、乾燥性敏感肌を考えたスキンケアを提案してきた。一方、花王では、機器を用いて極細繊維を直接肌に吐出し、肌上に積層型の極薄ヴェールをつくる技術「ファインファイバーテクノロジー」を開発。2019年には、同技術を化粧品に応用したスキンケアを提案している。

花王はこれまで「キュレル」を通じて、さまざまなスキンケア方法を提案してきたが、いまもなお、深い乾燥悩みを抱えている生活者も多くいるとの考えのもと、ファインファイバー技術を用いたスキンケア方法に着目。深い乾燥悩みを抱える生活者に、同技術をよりシンプルなステップで体感してもらうことをめざし、ヴェールのもととなる化粧液の研究を進め、このたび肌にふきつけた極細繊維から、保湿成分がしみ出す「ブリードアウト技術」を開発。この技術を搭載した「キュレル 着る角層ケア〈カートリッジ〉」の発売に至った。繊維の隙間が保湿成分で満たされた、まるでもう一枚の肌のようなつくりたての〝生ヴェール〟が肌に密着して一体化。普段の夜のスキンケアの最後に取り入れることで、寝ている間も長時間角層に潤いをとどめ続け、翌朝までもっちりとしたハリのあるなめらかな肌に導く。

同時に、パナソニックの協力のもと、的確にふきつけ箇所を狙うことができ、また、短い時間でふきつけができる専用機器を開発。専用のカートリッジをセットすることで肌上に極薄ヴェールをふきつけることができる「ヴェールクリエイター」として発売する。自立式で持ちやすいコンパクトなサイズとなっている。

発売にあたっては、新たな手入れ方法を始めやすく続けやすいよう、サブスクリプション型のサービスを「Rentio(レンティオ)」()にて開始。同サービスでは、「キュレル 着る角層ケア〈カートリッジ〉」「ヴェールクリエイター」がセットのベーシックコース(3980円/月)と、2品に加えて「キュレル」の化粧品も併せて使えるプレミアムコース(5980円/月)の2コースとなっている。

:レンティオが行っている、カメラや家電、ベビー用品を買わずに使えるサブスクリプション・レンタルサービス
https://www.rentio.jp/

説明会では、花王化粧品事業部門の山口聡一グローバルリーディングビジネスグループ長が化粧品事業のグローバルシャープトップVisionについて説明し、「キュレル」を世界一、乾燥性敏感肌に向き合うダーマコスメブランドへと進化させていく考えを示した。その後、化粧品事業部門グローバルリーディングビジネスグループの松倉申之助「Curél」ブランドマネージャーが新製品の概要と新ビジネスプランについて、花王スキンケア研究所の庭野悠第二研究室長が今回投入する新製品に搭載したファインファイバーテクノロジーの最新研究成果について説明した。

花王化粧品事業部門 山口聡一グローバルリーディングビジネスグループ長

化粧品事業部門グローバルリーディングビジネスグループ松倉申之助「Curél」ブランドマネージャー

月刊『国際商業』2024年04月号掲載