「跳(ちょう)」――変革の足場を固め、次なる成長ステージへ
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は、皆様より多大なるご支援とご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2026年の年頭にあたり、ライオン株式会社は、中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」の2年目という、戦略の真価が問われる局面を迎えております。私は、本年を象徴する一文字として「跳(ちょう)」を掲げます。昨年、私たちは不確実性が増す世界情勢の中、「収益力の強靭化」をテーマに構造改革を断行いたしました。事業ポートフォリオの大胆な見直しや、聖域なき構造改革を遂行した結果、高収益体質への転換に確かな手応えを得ることができました。2025年に築き上げたこの強固な「足場」があるからこそ、本年は、ライオンが新たな成長ステージへと力強く地面を蹴り、大きく「跳」躍できるものと確信しております。
経済環境を受けた消費行動(メリハリ消費)への対応
本年の日本経済を見通しますと、様々な要因から不透明感は依然続く可能性があります。そういった中、生活者の消費行動は、いわゆるメリハリ消費が加速します。節約行動と高付加価値消費行動への対応が求められます。その中において、私たちが注力しているヘルスケアのビジネスにおいては、特に高付加価値消費への対応が求められます。ここにしっかり対応する事は、大きなビジネスチャンスです。
昨年、私たちはこの変化を先取りし、成果を上げてまいりました。特に中核となるオーラルヘルスケア事業においては、9月に発売した最高価格帯のハミガキ「デントヘルス薬用ハミガキ DXプレミアム」の初期出荷が計画比1.5倍を記録するなど、生活者が高くても良いものを求めていることを証明しました。本年もこの流れを加速させます。単なる汚れの除去にとどまらず、口腔内の細菌バランスを整える「菌叢(きんそう)コントロール」技術を搭載した製品や、歯科医院ルートで培ったプロフェッショナルな知見を応用した高付加価値品の展開を強化します。さらに、オーラルヘルスケアのリーディングカンパニーとして、生活者の口腔衛生と口腔機能に確かなベネフィットをお届けします。
「グローカル」戦略による海外事業の質的転換
世界に目を向ければ、地政学的な分断や経済のブロック化など、情勢は依然として不安定さを増しており、予断を許さない状況が続いています。私たちはこの変化に対し、一律の拡大路線ではなく、地域ごとの所得、生活環境等、ステージに応じた類型化マーケティングを礎に、現状~近未来を予測し、柔軟性をもって「変化対応」を行い、「メリハリ」のある舵取りで挑みます。
成長著しいアジア地域においては、国・エリアごとの特性に合わせた戦略(グローカライゼーション)を実行します。昨年、完全子会社化を行ったベトナムのメラップライオンにおいては、同社が持つ医薬品事業の強固な基盤に当社のオーラルヘルスケア技術を融合させ、医療専門家推奨による高収益なビジネスモデルの確立を進めています。また、新工場が稼働するバングラデシュにおいては、現地で信頼を得ている「KODOMO」ブランドを軸に、ベビーケア市場の成長ポテンシャルを確実に取り込んでまいります。一方で、競争環境が激化する中国市場においては、過度な数量の追求を見直し、高付加価値ブランドへのシフトによる収益性を重視した利益ある成長への転換を完遂させます。
「より良い習慣づくり」で、社会と経済を同期させる
私たちが跳躍した先に見据えるのは、パーパスである「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」ことの具現化です。気候変動問題において、消費ベースのCO2 排出量の約6割は家庭部門に関連していると言われています。つまり、生活者の日々の「習慣」を変えることは、地球規模の課題解決に直結する大きなインパクトを持つのです。私たちは、すすぎ1回で済む超濃縮洗剤や、つめかえ用製品の普及を通じて、生活者が日々の習慣の中で無理なく地球環境に貢献できる「より良い習慣」を提案し続けます。社会課題の解決(社会価値)と、企業の持続的な成長(経済価値)をイコール(=)で結びつける経営こそが商売の基本であり、不確実な時代において私たちがブレてはならない事です。
スピードを生む新体制
変化の激しい時代において、これらの戦略を確実に実行し、機会を捉えて大きく「跳」ねるために最も必要なのは「スピード」です。本年より、私たちは従来の機能別組織から、バリューチェーンを軸とした組織体制へと移行いたしました。これまでの組織体制では、部門間の連携に時間を要し、責任の所在が曖昧になる場面もありました。新体制では、企画、購買、研究生産技術、SCM、生産、販売が初手から一気通貫で連携することで、市場の変化や生活者の潜在ニーズに対し、即座に意思決定し実行できる機動力を手に入れました。現場が自律的に動き、失敗を恐れずに挑戦するダイナミズムを生み出すことで、イノベーションの創出を加速させてまいります。
2026年、ライオン株式会社は、新体制のもと全社一丸となって、心身の健康とサステナブルな社会の実現に向け、力強く跳躍してまいります。
本年も変わらぬご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。皆様のご健勝とご多幸を祈念いたします。




















