謹んで新春のお慶びを申し上げます。
2024年に公表いたしました当社の紅麹関連製品の事案に関しまして、関係する皆様に、多大なるご迷惑、ご心配をお掛けしておりますこと、改めて深くお詫び申し上げます。当社は、健康被害にあわれたお客様と損害を受けられたお取引先様に対する謝罪と補償を何よりも優先し、最後まで誠実かつ適切に実行してまいります。また、業界の皆様にご迷惑をおかけしている状況を踏まえ、社会的責任を果たすため、私たちにできることを着実に実行してまいります。
二度とこのような問題を繰り返さないという強い決意のもと、2024年より「品質・安全に関する意識改革と体制強化」「コーポレート・ガバナンスの抜本的改革」「全員が一丸となって創り直す『新小林製薬』」という三つの柱を掲げ、再発防止策を実行しております。
品質保証体制を抜本的に見直し、研究開発部門から製造現場までの連携を強化しています。また、取締役会の刷新や経営執行の意思決定プロセスを改め、経営の監督機能を強化し、意思決定のスピードと質を向上させています。お客様から再び信頼していただける会社となるために、月次の品質教育に加え、3月22日を「品質・安全の日」と定め、これからも毎年、本事案を決して風化させることなく、全従業員が品質・安全に対して原点に立ち返る機会としてまいります。
お客様を第一とした品質基盤を再構築し、中長期的に更なる専門性の向上に取り組んでまいります。
お客様からの信頼回復への道が決して平坦ではないことを肝に銘じ、本年を始動いたします。このような状況下において、当社製品を使い続けてくださっているお客様、そして多大なるご支援をいただいておりますお取引先の皆様に厚く御礼申し上げます。また、業界団体や関連学会の皆様方には、日頃より賜りますご指導ご鞭撻、そして変わらぬご厚情に対しまして、心より感謝申し上げます。改めて、お客様を第一とした品質と安全の徹底を経営基盤と据え、一つひとつの製品、一つひとつの行動を通じて、地道に信頼を積み重ねていく覚悟です。
私たちは「品質と安全を第一とするモノづくり」に原点回帰し、新たな小林製薬へ生まれ変わるべく、改革を進めています。
2035年ビジョンとして「お客様の“あったらいいな”を発見し、“これがないと困る”と感じていただける製品を創造する」を掲げました。このビジョンの達成のためにまずは「メリハリの利いた経営」を実践しています。全社視点の事業ポートフォリオ経営に舵を切り、全体最適の視点で事業収益性を高めてまいります。新製品開発ではお客様に長く愛される新製品を創造し、お客様の快適な生活をサポートしていきます。例えば、口に貼って寝るだけで口・のどの乾燥やいびき音を軽減する「ナイトミン鼻呼吸テープ」は、「これがないと困る」という声が年々増えており、お客様のお困りごとを解決する新しい生活習慣になっています。今後、このような製品を世界にも拡げていき、日本を含め、グローバルで新しい生活習慣の創造をリードする企業を目指してまいります。
そして、これら全ての変革の土台となるのが「組織風土の改革」です。全従業員を対象に小林製薬グループの風土について語り合う「風土しゃべりば」を2度実施し、現場の声を収集しました。また、私自身が全国の関連工場や営業所など各現場に積極的に訪問し、各部門の課題について直接従業員との対話を重ねています。その声をもとに経営層でも膝をつき合わせた議論を継続してまいりました。私がリーダーシップを発揮し、経営と現場が相互に対話をする機会を通して組織風土の改革を牽引します。そして、全従業員が改革に参画することで、一人ひとりが自ら考え、行動し、仕事に誇りを感じられる組織を創り上げてまいります。
これからの3年では、将来の持続的成長を実現するための地盤を確実に築いていきたいと決意を新たにしています。
全社一丸となって、皆様の信頼に応え、再び社会に貢献できる会社へと生まれ変わることをお誓い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
小林製薬 代表取締役社長
豊田 賀一
























