2026年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

はじめに、12月の青森県東方沖地震や、北海道から九州まで広範囲にわたった8月の豪雨、森林や市街地での大規模火災など、昨年も多くの自然災害が発生しました。これらの災害で被害を受けられた皆さまに対し、心からお見舞い申し上げます。そして、昨年中、弊社並びに弊社商品に対し、格別なご高配を賜りましたことに、厚く御礼申し上げます。

あらためて2025年を振り返りますと、4月から10月まで開催された大阪・関西万博には150以上の国・地域が参加し、国内外から2900万人以上の人々が来場して、国際交流の輪が広がりました。そして、日本初の開催となった東京2025デフリンピックは、過去最多のメダル獲得もさることながら、多様な人々が共に生きやすい社会について多くの人が考える機会となりました。また、ノーベル生理学・医学賞と化学賞を日本人が10年ぶりに同時受賞するといううれしいニュースもありました。

クラシエホームプロダクツ上嶋一善

クラシエ(ホームプロダクツカンパニー)におきましては、事業コンセプトとして掲げている「きれいデザインカンパニー」として、毎日のくらしの中における人々の肌・髪・身体を“清潔に”、“美しく”、“心地よく”することにより、人や暮らしに新発想の“きれい”をつくる商品の提供に努めてまいりました。そして、今後の成長に向けた取り組みとして、7月、クラシエはライフスタイルブランド「DAYLILY」を運営するDAYLILY JAPAN株式会社の株式を取得しました。漢方の思想や考え方を取り入れることで、自然と調和した「医食美・快適」の領域で新たな価値創造を目指します。

春の新商品として発売した「肌美精 薬用シリーズ」は、複数のメディアでベストコスメを受賞するなど、お客様や専門家にご評価いただくことができました。このシリーズを中心に「肌美精」ブランドが大きく成長しました。秋の新商品では、“髪の体幹美容”をコンセプトとした「ディアボーテ」最高峰のヘアケアシリーズ「Bloom d’Or(ブルームドール)」や、“コーム一体型容器”を採用した「いち髪 流し前髪キープコーム」、新発想の美容液導入型クレンジング・洗顔の新ブランド「willone」などの高付加価値商品を発売。主力のヘアケアカテゴリーに加え、基礎化粧品カテゴリーも伸長しました。一方で、原材料やエネルギー価格の高止まりなどの影響を受け、2025年度は増収減益となりました。

また、シャンプー・ボディソープなどの安定した供給体制の確立を目指し、主要生産拠点の一つであるセキセイT&C株式会社の新工場建設も2027年春稼働予定で着工しています。

クラシエは、2027年に20周年を迎えます。2026年はその準備として、これまで以上に「世界を夢中にする100年企業」を全社員が意識して業務に取り組んでまいります。そのような中、ホームプロダクツカンパニーは、2026年を「きれいデザインカンパニー」へ進化する“飛躍の期間”の初年度と位置付け、将来に向けた新たな仕組みの構築と成長投資を積極的に行います。既存ブランドでは、「いち髪」が20周年、「海のうるおい藻」が30周年、「旅の宿」が40周年と、三つのブランドが2026年中に節目の年を迎えます。「いち髪」は、春の新商品としてインバスヘアケアシリーズを全面リニューアルし、ブランドを強化いたします。既存ブランドの育成に加え、高付加価値商品の継続的な投入を行い、引き続き、お客様の生活に寄り添い、お客様に共感される商品を提供してまいる所存です。

国内外の情勢は、世界各地での地政学的な緊張、自然災害のリスク、原材料・物流エネルギーコストの高止まりなど、依然として先行き不透明な状況が継続していますが、今年の干支である馬のように、エネルギッシュにスピード感を持って新たなアプローチに挑戦し、「期待される企業、存在感ある企業」へと変貌を遂げる第一歩を踏み出したいと考えています。

最後になりましたが、皆さまにおかれましては、より一層のご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げますとともに、益々のご健勝とご繁栄を祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。