新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年、日本経済は国内外のさまざまな課題に直面した年となりました。なかでも、世界的に拡大した関税の影響は、日本国内の物価上昇や株価の変動など多方面に及び、先行き不透明な状況が続きました。一方、20 年ぶりに国内で開催された「2025 年日本国際博覧会」は、多くの国と地域、政府機関などの組織や企業が協力し合い、先端技術をはじめとする新たなアイデアを創造する場として盛り上がり、持続可能で明るい未来社会を生み出す原動力となりました。
当社は昨年、2030 年に向けた「2030 中期経営戦略」を策定しました。2024 年、レジリエントな事業構造の構築を目的として掲げた「アクションプラン 2025-2026」では、注力ブランドへの選択と集中、グローバルでの構造改革を行い、より強固な収益基盤の構築に取り組んできました。「2030 中期経営戦略」は、これまで進めてきた改革を経て、ブランド価値最大化による新たな成長を実現することにより、新しい美の価値を創造し、生活者に寄り添う企業として社会に貢献します。
常に社会が変化する中で、生活者は不安や課題を抱え、日々の生活における人とのつながりや共感、心の豊かさなど求める傾向にあります。資生堂が常に人と向き合い、新しい価値を発見し、革新的な創造を続けるため、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、2030 年に実現するビジョンを、「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」と設定しました。私たちは、このビジョンを体現する「一瞬も 一生も 美しく」のスローガンとともに、新しく美しい価値を創造することを約束します。
「2030 中期経営戦略」の実現に向けては、資生堂グループの中核をなす日本事業の成長加速が不可欠です。グローバルにおいて価値創造をリードする存在となるべく、日本事業の新ビジョンとして「日本から、資生堂から、新しい美の文化をつくり出す」を掲げます。多様化する生活者ニーズや市場を的確に捉え、強い存在感を発揮できるブランドの育成に注力するとともに、次なる成長ブランドや新領域へ投資することで、市場を上回る成長実現を目指します。
また、こうして成長戦略を描けるのも、得意先さまのお力添えがあってこそです。未来を創る変革に一緒に取り組んでくださっている皆さまに心より感謝申し上げるとともに、より強固に手を取り合い、共に持続的な成長を遂げる始動の 1 年にしたいと考えています。そのために私たちは、全社員が「生活者・お客さま起点」の活動に集中し、魅力的なブランドづくりや新たな価値開発によってお客さまを魅了し続け、店頭ならではの体験価値向上、得意先さまのファン拡大に貢献してまいります。
2026 年は、世界経済の影響で不確実性が高まる中でも、持続可能性を重視する取り組みが活発化し、人工知能(AI)などを通じた技術がさらに進化して、より豊かな社会の実現に繋がることが期待されています。当社は様々なイノベーションを通じてブランドの成長を加速させ、本業を通じて、世界中のお客さまへ幸せをもたらし、企業価値と社会価値を高めていきます。
本年も皆さまのご指導、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
























