ポーラ・オルビスホールディングスの2025年12月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比0.3%減の1250億200万円、営業利益が同10.5%増の119億5200万円、経常利益が同4.3%減の112億2400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同10.1%増の76億5200万円と減収営業増益となった。

主力のビューティケア事業は、売上高が同0.9%減の1204億1100万円、営業利益が同1.0%増の118億5500万円だった。

ブランド別にみると、「POLA」は前年同期を下回る売上高・営業利益となった。国内では9月にリニューアル発売した最高峰シリーズ「B.A.」のスキンケアを軸にしたコミュニケーションにより、既存顧客売上が増加に転じている。一方で、店舗数減による顧客数の減少影響などにより、国内事業全体で前年を下回る実績となった。海外では重点市場である中国でブランドプレゼンスの確立のためのハイプレステージ顧客層との接点拡充とCRM強化に取り組んでいるが、中国を中心とする一部のアジア地域における景気減速の影響が継続しており、海外事業全体で前年を下回る実績となった。

もう一つの主力ブランド「ORBIS」は、海外では中国を中心とする一部アジア地域における景気減速による影響の継続や、中国法人の清算を決議した影響により、海外事業全体で前年を下回る実績となった。国内では、5月に発売した「オルビス ザ クレンジング オイル」などの高付加価値商材が好調に推移しており、直販チャネルでは顧客数・購入単価ともに伸長し、外部チャネルでは顧客接点の拡大とともに高い売上成長率を維持したことで、国内事業全体で前年を上回る実績となったことにより、ORBISブランドは前年を上回る売上高・営業利益となった。

海外ブランドの「Jurlique」は、豪州においては、ECチャネルと直営店が前年を超過した一方で、百貨店チャネルが苦戦。中国においては、景気減速の影響が継続し、百貨店・ECチャネルともに販売が落ち込んでいることから、Jurliqueブランドは前年を下回る売上高となった。一方で、組織構造改革を進めており、適切な販管費コントロールを実施したことにより、営業損失は改善している。

育成ブランドについては、「DECENCIA」はBtoB事業・オフライン店舗事業における顧客接点拡大により、売り上げが堅調に推移。「THREE」は顧客基盤の強化に注力しているが、新規顧客の獲得が計画に届かず、前年を下回る実績で推移した。以上に加え、OEM事業の業績影響などにより、育成ブランド全体では前年並みの売上高となったが、営業利益は前年を下回った。

25年12月期通期業績は前回公表した数字を据え置いた。売上高が2.1%増の1740億円、営業利益が5.0%増の145億円、経常利益が8.6%減の147億円、親会社株主に帰属する当期純利益が8.5%減の85億円を見込む。