ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の2024年12月期決算は、売上高が前年同期比1.7%減の1703億5900万円、営業利益は同14.1%減の138億1000万円、経常利益は同12.9%減の160億8300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同3.9%減の92億8600万円と減収減益だった。売上高は主に基幹ブランドであるPOLAブランドの売り上げの減少を要因として減収、営業利益は売上高減による粗利の減少により減益となった。

セグメント別売上高をみると、ビューティケア事業は売上高が同2.0%減の1650億6000万円、営業利益が同8.7%減の149億2600万円となった。

ビューティケア事業のうち、POLAブランドは国内事業ではメンバーシッププログラム「ポーラ プレミアム パス」の浸透や、新商品を軸としたカウンセリング及びエステの強化や新たな肌分析のスタート等の顧客体験価値を高める活動により、 委託販売チャネルでは成長店舗群が増収し、百貨店チャネルでは増収が継続しているが、委託販売チャネルの店舗数減少による顧客接点の縮小影響等により、全体で前年を下回った。海外事業では、中国を中心とする一部のアジア地域における景気減速の影響が継続したことにより、全体で前年を下回る実績となった。以上の結果、売上高が5.8%減の927億9800万円、営業利益が14.0%減の99億3300万円となった。

ORBISブランドは国内事業では、顧客基盤の安定化が進む直販チャネルで顧客数の増加が継続し、また高機能・高単価商品の好調が継続して顧客単価上昇に寄与したことにより、大幅な増収となった。新たな成長ドライバーと位置づけ積極展開している外部チャネルでは、商材の拡張及び販路の拡大を進め、高い売上成長を維持。海外事業では、重点市場である中国において景気減速の影響が継続したことにより、全体で前年を下回る実績となった。以上の結果、売上高が12.4%増の481億9000万円、営業利益が31.0%増の83億600万円と増収増益となった。

Jurliqueブランドでは、本国である豪州においては、3月に発売した新製品が好調に推移し、百貨店・直営店・ECチャネルが堅調に推移したことにより、増収が継続。中国においては、景気減速の影響が継続し、とくに4月以降、百貨店・ECチャネルともに販売が落ち込んだ。以上の結果、売上高が3.0%減の87億6300万円となった。また、販売管理費の増加等により営業損失が24億6100万円に拡大した。

育成ブランドでは、DECENCIAブランドで、顧客属性に応じた販売施策の強化等により安定した顧客基盤の構築が進み、前年を上回る実績で推移している。THREEブランドでは差別性である「精油」を軸とした商品により店頭の活性化を図ったが、新規顧客の獲得が前年に及ばず、前年を下回った。FUJIMIブランドでは、顧客体験価値を高める取り組みにより前年を上回る実績で推移し、黒字化を実現した。以上の結果に加え、前年に2ブランドを撤退した影響もあり、育成ブランド全体では売上高が11.9%減の153億700万円と前年を下回った。また、新規事業への投資を行った影響等により、営業損失が8億5100万円に拡大した。

2025年12月期の通期業績予想は、売上高が2.1%増の1740億円、営業利益は5.0%増の145億円、経常利益は8.6%減の147億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は8.5%減の85億円を見込む。