ファンケルは、オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」の販売を通じて蓄積した食習慣・生活習慣アンケートの回答と尿検査の結果から、初回購入時20~69歳の男女(3万3246人)で夏の疲労感※と栄養状態、睡眠休養感・睡眠の質・睡眠時間、および運動習慣との関係性を解析した。
※オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」初回購入時20~69歳の男女〈3万3246人〉のうち、夏にアンケートに回答した人〈6636人〉と夏以外にアンケートに回答した人〈2万6610人〉のデータを比較解析
その結果、夏バテしない体づくりには、「亜鉛」の補給に加えて、睡眠・運動の対策が重要であることが調査結果から考えられる。
調査結果は以下の通り。
① 夏は、他の季節よりも、「調子が悪い」「疲れやすい」と体感している。
② 夏は、他の季節よりも、「ビタミンB1」と「亜鉛」の体内充足度が低い。
③ 夏に「疲れが残りやすい」と実感している人は、「亜鉛」の体内充足度が低い。
④ 夏は、他の季節よりも、「過去1カ月間、睡眠によって休養が十分にとれている」「睡眠の質に満足している」と回答している割合が低い。
⑤ 夏に睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「疲れが残りやすい」と回答している割合が低い。
⑥ 夏に運動習慣が「週2回以上」ある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、「疲れが残りやすい」と回答している割合が低い。
同社は1994年にサプリメントの販売を開始して以来、多くのお客の健康を「健康食品」で支えてきた。昨今は生活習慣が多様化し、「睡眠」「運動」の重要性が高まっていることを背景に、31年目を迎える同事業では、より多くのお客の健康に寄り添うべく、従来の健康食品による「食事(栄養)」面でのサポートに加え、「睡眠」「運動」の要素を強化し、お客の健康をトータルでサポートする「健康サポート企業」へと進化していく。
その一環として、「食事」「睡眠」「運動」の重要性を啓発すべく、3万人以上の尿検査、食習慣・生活習慣アンケートの回答を解析した「ファンケル健康ビッグデータ調査」を定期的に発信している。今回は「夏の疲労感」と「食事・睡眠・運動」を解析した結果をまとめた。気象庁発表の2025年7~9月の天候見通しにおいても平年以上の高気温が予想されており、より一層の健康管理が求められていると考えられる。
① 夏は、他の季節よりも、「調子が悪い」「疲れやすい」と体感している。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートの「体の調子(100 に近いほど「体調が良い」、0 に近いほど「体調が悪い」)」「疲れやすさ(100 に近いほど「疲れにくい」、0 に近いほど「疲れやすい」)」の設問において、夏は、夏以外の季節と比較して、「調子が悪い」「疲れやすい」と体感していることが分かった。
② 夏は、他の季節よりも、「ビタミンB1」と「亜鉛」の体内充足度が低い。
「パーソナルワン」尿検査の結果において、夏は、夏以外と比較して、「ビタミンB1」「亜鉛」の体内充足度(スコア)が有意に低いことが分かった。
③ 夏に「疲れが残りやすい」と実感している人は、「亜鉛」の体内充足度が低い。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートで「疲れが残りやすい」と回答している人は、「パーソナルワン」尿検査の「亜鉛」の体内充足度(スコア)が有意に低いことが分かった。一方で、「ビタミンB1」の体内充足度(スコア)に関しては、差はなかった。
④ 夏は、他の季節よりも、「過去1カ月間、睡眠によって休養が十分にとれている」「睡眠の質に満足している」と回答している割合が低い。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートにおいて、夏は、夏以外と比較して、「過去1カ月間、睡眠によって休養が十分にとれている」「睡眠の質に満足している」と回答している割合が有意に低いことが分かった。
⑤ 夏に睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「疲れが残りやすい」と回答している割合が低い。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートにおいて、夏に睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「疲れが残りやすい」と回答する割合が有意に低いことが分かった。
⑥ 夏に運動習慣が「週2回以上」ある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、「疲れが残りやすい」と回答している割合が低い。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートにおいて、夏に運動習慣(1回30分以上の運動)が「週2回以上」ある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、「疲れが残りやすい」と回答する割合が有意に低いことが分かった。
以上の結果より、夏は、他の季節よりも、「調子が悪い」「疲れやすい」と体感していること、また体内の「ビタミンB1」と「亜鉛」の充足量が低いことが分かった。
そこで、夏の疲労と基本栄養の関係性を確認するために、夏に「疲れが残りやすい」と実感している人の栄養状態を確認したところ、「亜鉛」の体内充足度が有意に低いことが分かった。また、夏は、他の季節よりも、「過去1カ月間、睡眠によって休養が十分にとれている」「睡眠の質に満足している」と回答している割合も低く、睡眠休養感や睡眠の質の悪化が夏の疲労感に関係していることも示唆された。
さらに夏の睡眠時間が「6時間以上」である人、夏に「週2回以上」の運動習慣(1回30分以上の運動)がある人において、夏の疲労感を実感しにくい傾向にあることが判明した。これらのことから、夏バテを軽減するためには、「亜鉛」の摂取、夏の「睡眠」対策、週2回以上の「運動」習慣が重要であることが考えられる。
食事摂取基準の策定に携わった滋賀県立大学の柴田克己名誉教授は、以下のようにコメントしている。
「約3万人分のデータから『夏は亜鉛の尿中への排泄量が他の季節よりも低かった』という解析結果が得られているということについて、特に興味深く感じました。夏には、体内での亜鉛の需要が高まっているということだと思います。夏は紫外線や高温多湿の影響で、私たちの体はいつも以上にストレスを受けています。こうした環境下では、亜鉛は、免疫細胞の働きを支えるため、体内でのニーズが高まり、体内の亜鉛が不足しやすくなります。亜鉛が足りなくなると、酸素を運ぶ物質作りの仕組みがうまく働かず、全身の酸素不足によってエネルギー代謝が滞り、『体の調子が悪い』『疲れやすい』と感じがちになるものと考えられます。夏には、特に亜鉛の体内需要を満たす量を摂る必要があるということをこの結果から感じました。夏バテを防ぐには、まずは良質な睡眠と、軽い運動で代謝を保つこと。そのうえで、食事やサプリメントから亜鉛を十分に補うことがポイントです。免疫と代謝が整えば、体の中で酸素がスムーズに行き渡り、自然とやる気も湧いてきます」
ファンケルは、持続可能な社会の実現への貢献と持続的な成長を目指して三つの重点テーマを設定している。その中の一つ「健やかな暮らし」について、年齢とともに生じる健康と美の課題や、女性特有の健康課題への対処を積極的に取り組み、同調査もその一環として実施した。今後もお客の健康をトータルでサポートする「健康サポート企業」へと進化すべく、同調査結果を踏まえ、「パーソナルワン」でこれまで蓄積してきた約5万件(24年5月末時点)の食習慣・生活習慣アンケート回答と尿検査結果を多角的に解析し、新たな知見を発信していく予定だ。