アイスタイルの2025年6月期第3四半期業績は、売上高は前年同期比21.7%増の498億8500万円、営業利益61.2%増の23億4500万円、経常利益88.9%増の25億3400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益111.3%増の17億3100万円と大幅な増収増益となった。

売り上げは、国内で展開しているマーケティング支援事業およびリテール事業が業績をけん引した。特に、リテール事業のEC・店舗がともに成長した。営業利益はマーケティング支援事業およびリテール事業が増益に貢献し、組織体制強化に伴う費用増を吸収した。

事業別に見ると、マーケティング支援事業は、売上高13.0%増の70億6300万円、営業利益69.1%増の20億6500万円と2桁増収増益。ECと店舗を活用した販売促進施策の好調を背景に、大手化粧品ブランドだけでなく中堅・新興ブランドとの取引が引き続き拡大した。営業利益は、リテール事業からの@cosme商標に関するライセンス料による利益計上(セグメント間取引)に加えて、前年同期において発生した一過性のソフトウエア償却費の計上がなかったこと、限界利益率の高い事業モデルが効率的な利益拡大につながった。

リテール事業の売上高は26.7%増の386億4900万円、営業利益11.2%増の21億4900万円と堅調だった。売り上げは、ECでは引き続きプラットフォーム連携による新規顧客の獲得や、24年12月の販売イベント「@cosme BEAUTY DAY」で獲得した新規顧客の定着化が奏功し、27.6%の増収となった。店舗では、既存店改装等による延床面積の拡大に伴い、ネットとリアルを融合した体験が生活者にさらに浸透したことで、26.2%の増収となった。営業利益はマーケティング支援事業に対するライセンス料の支払い(セグメント間取引)があったものの、増収寄与により2桁増益となった。

グローバル事業は、売上高4.1%増の30億5200万円、営業利益は7000万円の欠損(前年同期は1億8700万円の欠損)。売上高は中国越境ECが堅調な推移であったことに加え、韓国事業における日本進出支援が引き続き成長した。営業利益は、香港旗艦店のオープン前費用の計上が発生したものの、利益率の高いBtoBサービスの増収によって韓国事業が黒字化し、前年同期比で赤字幅を縮小した。

その他事業は、売上高12.7%減の11億2100万円、営業利益18.2%減の1億6300万円の減収減益。売上高は人材派遣事業における一部サービスの終了と、BtoC課金サービスの一つである「BLOOMBOX」が24年12月で終了した影響を受けた。これが営業利益にも影響した。

25年6月期通期業績は、売上高17.7%増の660億円、営業利益44.3%増の28億円、経常利益68.5%増の29億円、親会社株主に帰属する当期純利益56.5%増の19億円と前回公表数値を据え置いた。