圧倒されるほど派手やかだった昨年のプレゼンとは対照的な抑制的トーン――ロレアルの2024年決算報告はこんな印象を与えた。だが、最後をまとめたニコラ・イエロニムスCEOの「攻めの戦略」とこれからの展望は自信に満ちていた。小手先ではない周到なマーケティング分析と最先端科学技術への投資に裏付けられているからだろう。
財務状況を見てみよう。総売り上げは堅実に伸びて434億8000万ユーロに。名目5.6%増、比較可能な実質で5.1%増という結果は、業界平均(4.5%成長)を上回る。R&Dやマーケティングへの健全な支出増を行った上での営業利益率20%(86億8750万ユーロ)は、「記録的」だった昨年の19.8%を超え、まだ貢献しきれていない近年の大型買収ブランド「イソップ」を除けば32%という驚くべき好成績だ。その結果、1株当たり利益は12.66ユーロ(前年比4.8%増)で、7ユーロの配当(前年比8.6%増)となった。コロナ禍に続き、エネルギーを始めとした物価高騰が続くここ5年間にも、ロレアルは優等生ぶりを堅持する。
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