毎年1月ラスベガスで開催される世界最大級の見本市CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)。今年、この光り輝く舞台で「ビューティテック(Beauty Tech)」を標ぼうして、流星のごとく基調演説したのは、ロレアルのニコラ・イエロニムスCEOだ。今やAIなどのハイテクは、スマホやゲーム、自動車や家電、そしてビューティ業界でも必須となっていると。その熱量はジェフ・ベゾスやイーロン・マスクを彷彿とさせた。
興奮冷めやらぬ2月8日に行われた2023年度の決算報告では、世界のビューティ業界のリーダーとしてのロレアルの好調ぶりを見せつけた。総売り上げはとうとう400億ユーロの大台を突破して411億8000万ユーロに。名目7.6%増、比較可能な為替等調整後で11%増という結果は、業界平均8%を優に超え、コロナの直撃を受けた21年を除くと直近20年で最高率だという。営業利益は81億4300万ユーロ(4年連続して10%増以上)、営業利益率は19.8%、一株当たり利益は12.08ユーロ(前年比7.3%増)、配当6.60ユーロ(前年比10%増)は、「記録的」とされた22年決算よりさらによい結果となった。22年のスキン・ベター・サイエンス、23年のイソップと連続して大型買収を手掛けたにも関わらず、また、戦禍による世界情勢の悪化や中国市場の不調にも関わらず、これだけの好成績となったのは、38もの強力なブランドを抱える優れたポートフォリオによるとはいえ、イノベーションに積極投資してビューティテックをぐいぐいけん引するリーダーシップと開発力に負うところが大きいと言えそうだ。
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