ポーラ・オルビスグループのACRO内のTHREE ホリスティックリサーチセンターは、城西大学と共同で、芳香植物から得られる精油や植物由来成分の機能性や品質に関する研究を2025年4月1日よりスタートさせた。
ACROのライフスタイルブランドであるTHREEは、自治体や企業と協業し、オリジナルの国産精油を開発している。全国各地の耕作放棄地などを活用し、複数種類の芳香植物の栽培から精油製造、機能性評価まで一貫して取り組んでいる。
城西大学 薬学部 天然物化学研究室(鈴木龍一郎教授)および生薬学研究室(北村雅史准教授、横川貴美助教)は、東洋医学で古来より健康維持や病気治療に用いられてきた漢方薬の原料となる生薬など、天然原料から新たな活性成分を探索し、その機能性や分子メカニズムに関する研究を実施している。さらに、薬用植物の栽培や新たな分析手法による品質評価も積極的に検討している。
今回、東洋医学的視点から精油や植物由来成分の機能性探索や品質評価について共同研究することで、伝統医学と現代科学の融合による芳香植物の新たな価値創出を目指す。
本取り組みの成果は、今後THREEの商品開発に活用され、ホリスティックケアの分野の発展につながることが期待される。
THREE ホリスティックリサーチセンターは、「精油」をはじめとする植物から得られる恵みと心・からだ・肌の関係を探求し、地域社会との取り組みを通じた新たな価値を創出・発信することを目的に22年9月2日ACRO内に設立した。人の在り方にとどまらず、環境や社会の在り方も踏まえた半歩先の価値を創出・発信することで、「THREE」のさらなる進化に向けた重要な役割を担っていく。
THREEは、「心・からだ・肌」のすべてに、ホリスティックにアプローチする。スキンケア・ヘアケア・ボディケアには、精油をはじめとする天然の植物成分をふんだんに使用し、心地よさと効果を追求。メイクアップでは、モードとナチュラルが生みだすニューベーシックを表現。自然と調和し、その人らしい美しさを最大限に引き出すホリスティックケアとメイクアップを、一人一人が心地よさで満たされるように発信する。
城西大学は、25年に創立60周年を迎える。「学問による人間形成」を建学の精神に掲げ、学問・研究だけでなく、お互いを尊敬し合える豊かな人間性を持ち、社会のさまざまな課題を解決できる人材を育成する。坂戸キャンパスは、学生・教職員などあらゆる方角から人の流れを受け入れ日常的に自然な交流を生み出す「知の交流」の拠点としての機能を果たしている。
薬学部 天然物化学研究室では、生薬や植物に含まれる新たな活性成分(関与成分)の探索や化学構造の解明に関する研究を行っている。また、開発した分析手法を用いて産地の異なる薬用植物の品質を評価するなど、新たな方法を取り入れた生薬や精油の品質評価を実施している。
薬学部 生薬学研究室では、天然薬用資源の機能性や分子メカニズムの解明に関する研究を行っている。また、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダに関する研究や薬用植物の栽培、品質管理に関する研究も行っている。