贅沢と美の首都として知られるフランス・パリ。表面を美しく飾るという化粧の観念が今日大きく変化しつつある。2025年10月には、パリの中心部ルーブル博物館地下のショッピング街カルーゼル・デュ・ルーブルで、肌の「回復力=再生力と耐久性」をテーマとして、化粧品・香水の国際イノベーションフェア「コスメティック360」が開催される予定だ。皮膚の老化を遅らせたり、復元させたりすることに貢献するイノベーション、細胞再生と抗老化の深い知見を生かした成分(例えば、プロテオーム、ゲノミクス)などが発表・議論される。

確かに近年、フランスでは、再生美容医療や免疫細胞系を前面に打ち出したブランドが次々登場している。高級ブランドが店舗を構えるパリの一等地8区の三角地帯(通称ゴールデントライアングル)に21年6月より実店舗を構える「シブル・スキン(Cible Skin)」は5年間の研究を経て、免疫化粧品・国際アンチエイジング特許IDANS®を取得。最大99%の天然由来成分を皮膚の深部に注入し幹細胞を活性強化するとうたう。弁護士出身で、このブランドの創設者の一人ジャン・ジネフリ氏はこれを「小さな革命」と呼ぶ。彼は、幼なじみで薬学博士であり免疫学と細胞再生の専門家であるラファエル・アクニン氏と共に、15年このブランドを設立。同社の免疫強化スキンケア基礎化粧品は、実店舗で行われている施術の際に使用されており、店舗および一部の薬局とECで購入することができる。VOGUE FRANCEやELLEなどのメディアが取り上げ、人気女優リリー・コリンズを起用したSNSマーケティングで注目を集めている。24年5月には中国にも上陸。シブル・スキン上海スキンセンターを設立して帰仏したばかりのジャン・ジネフリ氏は、業界トップのフランスのメディアグループLes Echos(LVMH傘下のビジネス誌)のインタビューに答えて「事業拡大に大きな手応えを感じた。シブル スキンの売上高は5年以内に全体の売り上げ3億ユーロを目指す」と語った。

Cible Skinはパリ市所有19世紀オスマニアン様式の建物の中に。有名パレスホテル(5つ星以上)、LVMH本社も同地区にⒸcible skin


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