欧州連合(EU)の主要機関が集まるブリュッセルには、ありとあらゆる業界団体の欧州本部がある。欧州の政策、規制や支援の枠組みは、ここブリュッセルで決められ、戦略や法律となってEUの各加盟国で施行される。企業や市民団体は調査や研究を元に、自分達の望む方向になるように陳情し、議論し、時には抗議行動を起こすなど活発だ。2000以上もあるとされるこうした汎欧州団体の一つにコスメティックス・ヨーロッパ(Cosmetics Europe、以降CE)がある。欧州中の化粧品・パーソナルケア製品の多国籍メーカー(資生堂、花王・カネボウグループを含む27社)と国レベルの業界団体(約30)により構成される汎欧州団体で50年間の実績を持つ。世界でも最も厳しいとされる化粧品成分や表示などに関連する欧州の法規制は、EUレベルで決められるので、EUの官僚や議員たちに業界の声を届け、情報収集することはますます重要となっている。

2020年末、EUは全産業分野にまたがる欧州グリーン・ディールを発表。あらゆる産業分野が、目先の新規性や流行を追うのではなく、長期的で地球的な視野に立ち、持続可能で緩やかな成長を追求する方向へと舵を切らざるを得なくなった。11月初め、グラスゴーで国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催されたが、欧州では、気候危機や気候正義を訴える若者を中心とした強いうねりに背中を押され、どの産業もこれまでのような成長路線は追えなくなっているのだ。

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