日本における輸入化粧品の代表格はフランスブランドである。フランス貿易投資庁(Business France Japan Office)が新たな一手として、フランスのサプライヤーと海外のバイヤーの効率的なマッチングを実現するサイト「CHOOSE FRANCE – COSMETICS(https://choosefrance-cosmetics.com/ja/)」を立ち上げた。
昨今、化粧品のプレミアム化はトレンドになっている。とはいえ、世界的なパンデミックの最中では、フランスメーカーと日本の輸入・販売業者が出会う機会は限られている。高品質、高付加価値の商品を求める日本の生活者にビジネスチャンスを感じているフランスメーカーは多いことを受け、フランス貿易投資庁は、日本のディストリビューター、卸商、小売商などにシンプルかつスピーディにフランスメーカーとアクセスできる手段として、マッチングサイトを作ったわけだ。
「フレンチコスメのノウハウが一層認知され、日本のディストリビューターがフランスの高品質な製品を簡単に入手できるようになればと願っています」(フランス貿易投資庁)
指摘するまでもなく、フランスの化粧品産業は世界トップクラスだ。大企業だけでなく、中小、零細まで多種多様な企業がビジネスを展開しており、そのすそ野は驚くほど広い。
また、一部の企業が参加する世界有数の産業クラスター「コスメティックバレー」、業界団体のFEBEA(フランス化粧品・トイレタリー企業連合・https://www.febea.fr)やCOSMED(フランス化粧品関連中小企業の協会・https://www.cosmed.fr)が連携することで、フランスは香水&化粧品部門の世界ナンバーワンの化粧品生産国として不動の地位を築いている。
「フランスの化粧品市場は、セグメント別に細かく分かれており、さまざまなブランド、商品が生まれており、確実なビジネスチャンスと恒常的な成長をもたらしています。それを支えているのは、R&D(研究開発)に対する多大な投資です。化粧品産業で重要性が高まっているイノベーションにフランスは応え続けています」(フランス貿易投資庁)
フランスの化粧品産業の多様性を示す事例は、枚挙に暇がない。まずフランスの生活者は環境問題への関心が高い。だから、オーガニックコスメの競争力が高く、サステナブルなコンセプトを持つブランドが飛躍的な成長を遂げているのも特徴の一つだ。フランス貿易投資庁によると、2018年、ナチュラル・オーガニック化粧品市場の伸び率は前年比18.7%、市場占有率は6.7%まで高まっているという(出典:COSMEBIO)。
また、フランスの化粧品メーカーは、ウェルビーイングの一環として、エステサロンなどのサービスを強化していることも特徴になっている。そして化粧品のカスタム化、ハンドメイドコスメの台頭、DIYムーブメントなどは、極小ロットでの受発注を後押ししている。そして、メンズコスメのブームにも対応し、女性向けとは異なる特別なケアへと進化し始めている。
このような多彩な化粧品ブランドに出会えるのが、「CHOOSE FRANCE – COSMETICS」である。
例えば、フランスメーカーが新製品を登録すると、即座に登録バイヤーに連絡が飛ぶ。また、登録メンバーは、製品やブランドに関する情報を得るために、メーカーへのコンタクトはもちろん、サンプルの発注も可能である。メンバー登録は無料。しかもメーカー側からの営業やスパムメールの心配も一切ない。
フランスのブランドを日本市場に導入したい企業にとって、これまでにない利便性を持つマッチングサイトになっている。「CHOOSE FRANCE – COSMETICS」は、フランスと日本の化粧品市場の新たな架け橋になりそうだ。