ポーラ化成工業

白斑研究助成金制度の2024年度採択者が決定

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業が日本白斑学会の全面的な協力のもと実施している「2024年度ポーラ化成工業白斑研究助成金」の採択者が決定した。

皮膚の白斑の病態はメラノサイトに対する自己免疫機序や自然免疫、酸化ストレスなどの関与が推測されているが、それだけでは説明がつかないことが多く、未解明の部分が多く残っている。また現在の保険診療では治療が難しい例もあり、より良い治療が求められている。最新の解析技術を用い、新規治療法につながる研究を作り出していくことが最重要課題であり、同社は本助成制度がその発展に少しでも貢献できればと考えている。

21年に開始した本研究助成金では、23年は四つの研究テーマに対して助成を行った。また、各研究テーマについての研究成果報告会が24年9月22〜23日の第6回日本白斑学会学術大会にて開催され、多くの研究者が活発に意見交換を行った。4回目となる24年度の公募においても、白斑発症メカニズムや治療法、白斑と関連する病態解明など多岐にわたる研究テーマの応募が多数あった。

日本白斑学会理事で組織する選考委員会において厳正に審査した結果、24年度は下記の3名が採択された(50音順)。

①千葉大学医学研究院皮膚科学の青山和弘助教「白斑内のメラノサイト抗原特異的T細胞を選択的に抑制するための新規治療標的の探索」
②山梨大学大学院総合研究部医学域皮膚科学講座の木下真直学部内講師「表皮ユニットにおける尋常性白斑の包括的な病態解析」
③岐阜大学医学部附属病院の松尾真帆助教「白斑と円形脱毛症におけるGPNMBの関与についての研究」

日本白斑学会事務局長の鈴木民夫教授(山形大学皮膚科)は、「選考は6名の評価者が全ての応募申請を独自に評価し、その集計結果をもとに行いました。採択課題はいずれも高得点を獲得した課題であり、その結果発表を次回の白斑学会で聞くのが今からとても楽しみです」とコメントした。