ロレアル

数分で個人的肌分析を提供するデバイスをCES2025で発表

ロレアルグループは現地時間1月6日、米・ラスベガスで開催されたCES2025において、高度なプロテオミクス(人体におけるタンパク質組成が肌の老化に及ぼす影響に関する研究)を用いて、わずか5分でパーソナライズされた肌分析を提供する卓上型ハードウェアデバイス「ロレアル セル バイオプリント」を発表した。

わずかな時間で肌分析が完了する革新的なデバイスだ

ロレアル セル バイオプリントは、人体のメカニズムが肌の見た目にどのように影響するかを明らかにする画期的なアプローチである。ロレアルのロンジェビティ統合科学(Longevity Integrative Science™)と、韓国のスタートアップ企業NanoEnTekとの独占的パートナーシップによって実現した。ロレアル セル バイオプリントは、数分で三つのパーソナライズ肌診断を提供する。

一つ目は肌の生物学的年齢。肌はどのくらいの速さで老化しているのか、ロレアル セル バイオプリントは肌の年齢を計算し、老化の兆候を遅らせるためのパーソナライズされたアドバイスを提供する。

二つ目は成分への反応性。特定の有効成分は自分の肌に効果があるのか、ロレアル セル バイオプリントは、レチノールなどの特定の主要成分に対する反応性を予測するのに役立ち、当て推量による選択を最小限に抑える。

三つ目は受け身のスキンケアから攻めのスキンケアへの転換。自分の肌はシミや毛穴が目立ちやすいタイプかどうかといった消費者の疑問に応える形で、ロレアル セル バイオプリントは、表面に現れ目に見えるようになる前の潜在的な肌トラブルの予測に役立ち、ユーザーの肌の美しさを守るための予防的な対策を講じることを可能にする。

ロレアルグループ副CEO兼リサーチ&イノベーションテクノロジー責任者のバーバラ・ラヴェルノ氏は次のように述べた。

「ロレアルでは、最先端の研究と長年の美容に関する専門知識を掛け合わせ、常に美の未来を見据えています。肌は最大の器官であり、人類の健康にとって重要な要素です。ロレアルの1世紀にわたるスキンサイエンスにおけるリーダーシップと相まって、独自のマイクロ流体ラボオンチップ技術であるセルバイオプリントを発表できることを光栄に思います。このセルバイオプリントデバイスにより、私たちは特定のバイオマーカーを通じて肌に関するより深い洞察を得て、肌の美しさと長寿に積極的に取り組むことができます」

2024年には1250億ドルに達すると予測されている世界のスキンケア市場の成長は、一人一人異なる肌に関するより多くの情報と、より効果的な製品を求める消費者のニーズによって牽引されている。最近の米国における2000人のスキンケアユーザーを対象とした調査によると、約80%が自分に合ったスキンケア製品を見つけるために試行錯誤に頼らざるを得ないと回答し、自分の肌に適した洗顔料に出合えるまでに試したクレンザーの総数は平均で7種類と報告している。

ロレアルのアドバンストリサーチチームの数十年にわたる知識の蓄積と革新の結果、長寿と健康な印象を与える肌を示すバイオマーカーが何かを初めて特定した。今回のロレアル セル バイオプリントは、このロレアル独自の皮膚知識を応用したものである。

ロレアル セル バイオプリント デバイスは、NanoEnTekが有す100以上の特許技術の一部を活用し、ロレアルが特定した画期的なタンパク質バイオマーカーを5分以内に測定する、NanoEnTek独自のマイクロ流体ラボオンチップ技術も備えている。解析の手順は以下の通りシンプルで非侵襲的なプロセスだ。

①顔用のテープを頬に貼り付けた後、バッファー溶液に入れる。
②溶液をロレアルセルバイオプリントカートリッジにセットし、分析のために機械に挿入する。
③ロレアル セル バイオプリントがサンプルを処理している間に、スキンコネクトデバイスが顔の画像を複数撮影し、肌の悩みと加齢に関する簡単なアンケートに回答する。

ロレアル セル バイオプリントは、25年後半にロレアル傘下のブランドでアジア圏において試験的に導入される予定だ。