ユニ・チャームは、インターブランドジャパンが主催する「Japan Branding Awards 2024」において、「BRONZE」を受賞した。

(写真左)ユニ・チャーム執行役員 グローバルマーケティングコミュニケーション本部長 廣岡直枝氏
(写真右)インターブランドジャパン 代表取締役会長 兼 社長 兼 CEO 並木将仁氏

ユニ・チャームは共生社会の実現を目指し、NOLA&DOLAというビジョンを基に世界各国で事業展開している。NOLA&DOLAとは、Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activitiesの頭文字をとったもの。「赤ちゃんからお年寄り、そしてペットまで、生活者がさまざまな負担から解放されるよう、心と体をやさしくサポートする商品やサービスを提供し、一人一人の夢を叶えることに貢献し続けたい」という思いを込めている。

このビジョンに共感する社員が集まり、社員数は1万6千人を超えているが、このうち日本籍社員は2割ほどに留まる。このような多様な社員たちのベクトルを合わせ、ユニ・チャームが目指す「共生社会」の実現に向けて加速するために、新しくコーポレート・ブランド・エッセンスとして“Love Your Possibilities”を掲げた。

この“Love Your Possibilities”には、「すべての人が秘めている限りない可能性を信じ、その可能性を慈愛にあふれた利他の心で支え合うことのできる“共生社会”の実現を目指す」という思いが込められている。このコーポレート・ブランド・エッセンスを事業活動で具体的に展開し、ブランドを軸に社会課題へ取り組むことで、人々の行動を喚起する事例として高く評価された。

“Love Your Possibilities”を具体化する事業活動には、以下のようなものがある。

①RefF(リーフ)「Recycle for the Future」活動

「RefF(リーフ)」とは、「Recycle for the Future」の頭文字をとったもので、ユニ・チャームが展開する水平リサイクルのブランド名だ。使用済み紙パンツ(紙おむつ)を回収し、ユニ・チャームが独自開発した「オゾン処理」によって、紙パンツ(紙おむつ)を衛生的、かつ「新たな原材料」として再利用可能にしている。

この取り組みは、「使い捨てない社会」を目指し、持続可能な未来の実現に大きく貢献している。現在、リサイクル原材料を活用した商品展開を進めており、大人用紙パンツ(紙おむつ)、ベビー用紙おむつ、さらにはペット用シートにまで、活用範囲が広がっている。これらの商品は、「衛生的で簡単・便利」という従来の価値を維持しながら、生活者が「RefF」マークのついた商品を選択することで、新しいリサイクルプロセスに参加し、紙パンツを使い捨てない社会への一歩を踏み出すことができる。

②Project Jagriti(ジャグリティ)活動

「Project Jagriti」(Jagritiは「目覚め」の意味)は、インドの農村部における生理用ナプキンの認知度向上と普及を目指すとともに、同社の商品を通じてインドの女性に就労機会を提供し、経済的自立を促進することを目的とするプロジェクトである。

同社の商品を活用した就労や収入の機会を創出し、約300名の女性の経済的自立を支援してきた。これらの取り組みにより、対象地域における生理用ナプキンの使用率を30%から90%まで引き上げることができた。このように、女性の社会進出やエンパワーメントを支援し、より良い未来の実現に向けて取り組みを続けている。(24年12月時点)

③『ソフィ 妊活タイミングをチェックできるおりものシート』を提供

同社は、妊活中の女性を応援するべく、普段通りの生活を送りながら気軽に妊活タイミングを予測できる「ソフィ 妊活タイミングをチェックできるおりものシート」を23年に発売した。この商品は、ショーツに装着して普段通りに過ごすだけで、おりものに含まれる「妊活おしらせ物質」を検出し、妊活に適したタイミングをお知らせする全く新しいタイプのおりものシートだ。

また、24年7月にサービスを開始した生理管理アプリ「ソフィ Be」と連携することで、「ソフィ 妊活タイミングをチェックできるおりものシート」を使用開始するのに最適な日が分かるなど、より効果的な妊活サポートが可能となった。