新日本製薬が2年連続でギネス世界記録™を達成した。同社のスキンケアブランド「パーフェクトワン」の主力商品「オールインワン美容液ジェルシリーズ」が世界で最も売れている顔用保湿ジェルブランドとして、ギネス世界記録™の認定を受けた。
ギネス世界記録™は1955年にイギリスで誕生し、60年超の歴史の中で様々な世界一を認定登録している。24年の申請数は約6万件で、そのうち認定されたのは、わずか約4000件と狭き門である。審査項目は約20で、すべてをクリアしなければ認定を受けることができない。例えば、今回の「オールインワン美容液ジェルシリーズ」は、対象となる製品が顔用保湿ジェルとして販売されていること、各製品が同一のブランド名とロゴで販売されていること、製品名・販売数・販売場所などの詳細が記された証拠物を第三者機関の証言と一緒に提出すること、などの項目をクリアしたという。
同社は1月24日にギネス世界記録™公式認定院を招いて認定証の授与式を開催。後藤孝洋社長は以下のように述べた。
「ギネス世界記録™は厳格の審査を経て認定されます。その俎上に私たちの製品が載り、それを認定していただけるなんて、こんなに嬉しいことはありません。私たちが2006年に発売した『パーフェクトワン』がギネス世界記録™を取るところまで成長できるとは、本当に思っていませんでした。昨年、認定されたときも同じように感じたんですが、社員一人一人が創意工夫をして、築き上げた金字塔だと思います。
最近、過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる、といろいろな場面で話しています。ギネス世界記録™に申請したとき、受賞できる未来を見ていました。それは1回目の受賞で過去の話になり、今日の受賞もやがて過去になると思います。社員一丸となって勝ち取った金字塔、勲章だと思いますが、また次の新しい未来を作っていく。それは『パーフェクトワン』をグローバルブランドにすることです」
続いて福原光佳専務取締役COOは、次のように述べた。
「一人一人のお客さまにしっかり対応してきた。その積み上げが世界記録に繋がったという風に考えています。 12年前に私が入社したとき、『パーフェクトワン』はオールインワンジェル市場でシェア2位でした。マーケティング戦略を考えても、1位に立たなければいけない。まずは日本一を目指したわけです。いまはオールインワン市場で8年連続国内売上ナンバーワンを取り続けています。そのうえで、ギネス世界記録™を取る理由は何か。これはグローバルに出るきっかけの一つです。日本一という称号だけではなく、世界一という称号を得ることで、アメリカをはじめ、ASEAN諸国で、私たちのブランドや商品、そして日本という国の素晴らしさを伝えていく。新日本製薬が日本を元気にするきっかけをつくりたい。それに私たちは挑戦しています」
新日本製薬は2024年11月12日に公表した中期経営計画「Growth Next 2027」において、三つの方向性を示している。
- 長期ビジョン実現に向けた、グローバル展開における基盤固めの期間として全社戦略である「トレンド×VOC(Voice Of Customer)×独自価値」を実現する商品開発の推進加速
- パーフェクトワンのブランド力を高め、グローバルでの競争力を強化
- FOCUS、Fun and Healthに次ぐ、次なる育成ブランドへの成長投資を行う
そのうえで「Growth Next 2027」の四つの重点課題の一つに「米国を中心としたグローバル成長戦略の展開」を挙げ、①米国を起点とした新規市場の拡大、グローバルでのパーフェクトワンのブランド力強化と②アジアでECモールや越境ECでのフィジビリティ開始──を進めている。
今回のギネス世界記録™の認定によって、新日本製薬は国内外のマーケティング戦略において新しい武器を得たことになる。特に同社が狙う米国は、世界一の化粧品市場であり、テレビとウェブの広告市場規模が大きく、新日本製薬との親和性が高い。同社がギネス世界記録™をどう活用するのか。今後の取り組みに注目が集まっている。