アルビオン

「超硫黄分子」が肌の再生や修復に寄与する可能性を発表

アルビオンは、新たな抗酸化物質として注目される「超硫黄分子(ちょういおうぶんし)」の肌効果について研究を進めてきた。この研究成果について、2024年11月6〜8日に、横浜にて開催された第97回日本生化学会大会で発表した。研究のタイトルは、英文では「Study of functionality of supersulfidein human skin」、和文では「皮膚における超硫黄分子の機能性に関する研究」。アルビオン研究部の國廣建斗研究員らが発表した。

硫黄は人間にとって必要とされる元素であり、健康な髪の毛や爪、皮膚を維持するために重要な役割を果たしている。「超硫黄分子」とは、この硫黄原子が複数連結し、両端を炭素などで挟んだ構造を有する分子の総称である。これらの分子は、生体内に存在し、これまでにビタミンE以上の強力な抗酸化作用があることが明らかにされている他、抗炎症、抗ウイルス効果などさまざまな機能が報告されつつあり、近年大きな注目を浴びている。

アルビオンでは、お客が高い肌効果を実感する化粧品を開発するために、新たな美容アプローチとして「超硫黄分子」について研究を進めてきた。

「超硫黄分子」は、呼気、涙、唾液、などさまざまな生体液に存在することが分かっているが、同研究によって、皮膚にも「超硫黄分子」が存在していることを確認した。また、「超硫黄分子」は、表皮の角化細胞および真皮の線維芽細胞により産生されていることを見出した。

細胞の遊走性評価

「超硫黄分子」の皮膚における機能性を明らかにするために、「超硫黄分子」の産生量が少ない角化細胞を作製した。次に、皮膚の再生や修復に関与する細胞の遊走性を評価した。結果、「超硫黄分子」の産生量が少ない角化細胞は正常な細胞に比べて遊走性が著しく低下した。細胞の遊走性は、創傷治癒に関わる重要な細胞機能であるため、「超硫黄分子」は皮膚の再生や修復に寄与している可能性があることが新たに分かった。