ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の海外事業は、成長加速に向け、グループ全体の海外展開を統括し、国内の各ブランドから一元的に商品を仕入れ、海外の子会社や現地代理店に販売する体制へと移行する。これまで通り主力ブランドのポーラとオルビスを中心に中国市場を攻めるが、その一方で中長期的な事業拡大を見据え、ASEAN市場の同時開拓に挑む考えだ。例えば、ポーラはインドネシアにおいてコミュニティに直接アプローチするなど、新たな成長の機会をつかみ始めている。ポーラ・オルビスHDの田端孝紘執行役員(グローバルマネジメント担当)にグループ全体の海外戦略について話を聞いた。
――海外戦略の重点市場である中国市場は逆風が吹いており、我慢の時期です。だからこそ他市場でのビジネス強化は喫緊の課題ではないでしょうか。
田端 ポーラ・オルビスHDは、中華圏を中心に海外戦略を進めてきました。中国国内の景気回復が遅れるなど、マイナスな状況になると、ただでさえ高い日本事業への依存度に焦点が当たりがちになります。もちろん中国本土、免税店などにおいて中国人の需要、特に富裕層の新客とリピート客の獲得は推し進めるものの、それ以外の戦略を一段と加速させなければいけないと危機感を持っています。その取り組みの一つとして、2023年10月、インドネシアの首都ジャカルタにポーラ初の百貨店カウンターを出店しました。同国のGDP(国内総生産)はASEAN最大で、人口は世界4位。今後の経済成長が見込めるので百貨店カウンターの増設を進めます。
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