P&Gジャパンがヘアケア市場で攻勢をかけている。特に使用率約30%のトリートメントの提案強化は、価格帯を問わず、シャンプー、コンディショナーの販売増にも結びつき、市場活性化を支えている。この戦略の強化に向け、2022年9月17日に5年ぶりに「h&s」の女性用スカルプケアラインをリニューアル。既存シリーズのモイスチャー、リフレッシュを新パッケージにするとともに、ダメージ補修でまとまる髪を叶える「リペアシリーズ」を新たに投入した。そして10月22日にはヘアケアブランド「パンテーン」からカプセル型の1回使い切りタイプの洗い流すトリートメント「パンテーン マカロン ヘアマスク」を発売。11月12日にお米のちからに着目したヘアケアライン「和の実by ヘアレシピ」のシャンプー・トリートメントをリニューアルする。これらも新しいヘアケアニーズを掘り起こす一手になりそうだ。P&Gジャパンのヘアケア戦略について、田中康之執行役員(ヘアケア)に話を聞いた。

商品価値への納得感を多様な生活者に届ける

――昨今のヘアケア市場の動きは、どのように見ていますか。

田中 コロナ以降のヘアケア市場(金額ベース)は伸び続けています。自宅で過ごす時間が増え、ヘアサロンと同じようなクオリティを求める傾向が強くなり、トリートメント需要が高まっているからです。この流れは一部の価格帯で起きているのではありません。高価格帯、中価格帯、低価格帯それぞれの消費者がヘアケアの中にトリートメントを取り入れているのです。それが市場成長に表れています。

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