ポーラ・オルビスホールディングスは、4月1日にポーラ・オルビスグループの入社式を開催し、65名の新入社員を迎えた。入社式では、横手喜一社長から新入社員へ期待を込めたメッセージを伝えた。以下はそのメッセージの要旨である。
ポーラ・オルビスホールディングス社長メッセージ(要旨)
1.お客様も、私たちも、生活者であること
ビジネスをしていく中で、私たちが向き合ってるのは「生活者」であることをまず念頭に置きたいと考えています。反省も含めて振り返ってみると、我々が向き合っているのはお客さまだ、とつい思いがちですが、それは「私たちの化粧品を買ってくれる方」
といった企業目線です。
真にお客さまと向き合うということは、お客さまそれぞれに家族・地域・社会の中での日常があり、その中で生活者として見た時に、何を提供すれば興味や信頼、そして
期待を持ってもらえるかを考えることではないでしょうか。
また一方で忘れてならないのは、私も皆さんも、さまざまな役職等を別にして生活者なわけです。一個人の生活者として、何が必要とされているか、何を本当にやるべきか、といったことを常に考えていただきたいと思います。
2.『で』仕事ではなく、『が』仕事を
私は仕事には2種類の考え方があると仮説を持っています。それは、『で』仕事と『が』仕事です。『で』仕事というのは、「これでいいですか?」というように、確認を求めるような仕事です。
会社にはルールや仕事の進め方があり、先輩から「こういう風にやればいいんだよ」と教わることが沢山出てくると思います。求められていることが分かると『で』仕事になりがちです。もう1つの『が』仕事は、「これがいいんです」「これがやりたいんです」という仕事。この『が』には主体性があるわけです。既に答えがあることを再確認する仕事だけでは、組織は昨日のままです。昨日のままがずっと続くと、いつかは時代から大きくかけ離れていきます。
そうではなく、時代が変わる、生活者の気持ちも価値観も変わる、世の中も変わっていく時には、これまで答えとして認識していなかったことを、新たに見出していく事が大切になります。
皆さんの『が』仕事は、変化に対応していく原動力になります。私たちのグループがお客様や社会から選ばれ続けることは容易なことではなく、当たり前ではないという意識をもって、ぜひ『が』仕事をしていただけることを願っています。
3.問いを立てる
上述のような『が』仕事を実践しようとすると、なかなか難しいと言われることも多いのですが、そのような時は「問いをたてること」、これに尽きると思います。
会社の仕組みやルール、仕事を覚えた時に、「何故このようなことをしているのか」「どうしてこうなっているのか」と一つ一つ、問いを立ててみてください。日常当たり前にやっていることに対して、常に問いを立て続けていく。
環境や社会や生活者の価値観が変わっていく中で、問いに対する答えを見出すのは、簡単な事ではないのですが、この「問いを立てること」に皆さんの集中力と責任感を注いでください。そうすれば、ゆくゆくは私たちのグループの未来に繋がっていくと信じています。
これからの皆さんのご活躍を心から期待し、私からのお祝いと激励と歓迎の言葉とします。入社おめでとうございます。
また、入社式の後半では、鈴木郷史会長より「感受性のスイッチを全開にする」というグループ理念に基づき、「A Person Centered Management」についての講話を行った。
「A Person Centered Management」は「個を中心にする」ということで、老若男女、上司部下、役職を問わず、人それぞれの個性、感受性、美意識、考え方を最大限尊重するという企業文化・運営を目指すものだ。また、講話を受けて「自分らしさ」をテーマにしたワークショップを設け、新入社員一人一人が感受性のスイッチを全開にし、臆することなく個性を発揮していく上で、大切にしたいことや自分自身を表現する言葉を共有し合うグループディスカッションを行った。