I-neの2024年12月期第3四半期決算は、売上高は前年同期比2.8%増の313億1000万円、営業利益3.0%減の29億5700万円、経常利益3.1%減の29億5000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が55.9%減の15億7600万円。増収減益となったが、利益面に関して、継続的な売上原価率及び物流費率の効率化を実現しており、現在はマーケティング投資や中長期に向けた投資(人的資本等)の強化により一時的なコストの増加が発生している状態であると説明し、想定通りの進捗とした。

セグメント別にみると、国内事業は、売上高は2.2%増の303億5300万円、営業利益は12.2%増の54億8200万円となった。同事業では、持続的な成長に向けて、同社が強みを持つヘアケア系、美容家電、スキンケア他のカテゴリーの継続的な投資及び新たなトレンド発掘に注力。BOTANISTブランドにおいては、24年8月に、厳選した香りの「フレグランスコレクションシリーズ」より、秋限定商品を発売したほか、同月にBOTANISTのエイジングケアラインである「ROOTH(ルース)」をフルリニューアルし、全5商品を発売し、売上高の伸長に寄与した。

SALONIAブランドにおいては、24年9月に「グロッシーケアドライヤー」を発売。SALONIAブランドのヘアドライヤーシリーズとしては、5000円台の「スピーディーイオンドライヤー」と1万円台の「スムースシャインドライヤー」を既に展開しており、今回はSALONIAの強みである、“パフォーマンスの高さと手に取りやすい価格の両立”という点を生かした、7000円台のドライヤーを発売した。また、同年9月には美容家電として発売中の「ピュアブライトスチーマー」の新色を新たに発売するなど、美容家電関連商品も引き続き好調に推移し、売上高の伸長に寄与した。

ナイトケアビューティーブランドYOLUは、24年8月から9月にかけて、初の夜間美容ボディケア商品として「ドリーミングバスタブレット」、「ナイトケアボディソープ」、「ナイトケアボディミルク」を発売した。「ドリーミングバスタブレット」は楽天市場での週間ランキング(入浴剤カテゴリ)で1位、「ナイトケアボディソープ」も発売初日にデイリーランキング(ボディケア・石鹸・ボディソープカテゴリ)で1位を獲得するなど、発売後、多くのお客から好評で売上高の伸長に寄与した。

海外事業は、売上高は23.7%増の9億5600万円、営業損失は前年同期5億3000万円から6億300万円と赤字幅が拡大した。

中国においてはアリババグループの越境ECである天猫国際等を通じた一般消費者への販売に取り組み、香港、台湾においては同国内に多数の店舗が展開されている化粧品・コスメショップ・小売店での販売に継続的に取り組んだ。艾恩伊(上海)化粧品有限公司においては、天猫や抖音といったプラットフォームを活用したオンラインでの販売にて、BOTANISTブランド及びSALONIAブランドの販売に取り組んだ。

また、2024年5月より東南アジアへの出荷を開始。9月時点でシンガポール・マレーシアの小売店等へ商品を展開しており、販路拡大を実現し売上高の伸長に寄与した。

また24年10月にI-neはトゥヴェールとTTradingの2社の株式を取得、企業結合を行っている。

24年12月期通期業績は、売上高は10.0%増の458億円、営業利益は5.0%増の46億円、経常利益は4.9%増の45億5000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は39.3%減の24億円と、前回公表した予想を据え置いた。