欧州連合では2019年末以来、欧州グリーンディールが掲げられ、あらゆる産業分野でのGX(グリーン・トランスフォーメーション)がぐいぐいと進められてきた。化粧品・日用品分野も例外ではなく、パッケージに「瀕死の亀マーク」を付けて使い捨てプラ抑制を促したり、化粧品のマイクロプラ使用を禁止したりなどさまざまな試みが行われてきた。そんな中、化粧品関連業界で、素材や成分から製造工程、廃棄に至るまで全ライフサイクルの過程を徹底的に精査・評価した上で、消費者に直感的に分かりやすい表示を考案しようとする努力が業界全体で進められていた。それが「エコ・ビューティ・スコア(Eco Beauty Score=EBS)」と呼ばれるもので、早ければ今年末から実用に入ろうとしていることが、6月に開催された欧州化粧品協会(CE)の年次総会で報告された。

欧州グリーンディールが基本戦略として推進された5年間は、環境・気候対策のための規制の津波のようだったと称された

そもそも化粧品業界がエコ・ビューティ・スコアの仕組みをつくろうと動き始めたのは、多くの商品やブランドが、独自のデータや方法で「グリーン」を訴求し始めた結果、消費者も、投資家も、規制当局も、どの製品がよりエコなのか判断できなくなってしまったからだ。そこで、業界で一貫し標準化された指標が必要という声が強まった。というのも、欧州では、循環経済に資するかどうか、持続可能であるかどうか、といった基準で製品選びをすると答える消費者が42%にも上るという調査結果があるからだ()。
:出展 Capgemini Research Institute, Circular Economy for a sustainable future report,August–September 2021

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