筆者の住むベルギーは、東西をフランスとドイツに挟まれ、北にオランダ、南にルクセンブルク、そして北海を挟んで英国に囲まれる小国(人口1100万、四国ほどの面積)だ。1990年代に入ってEUの統一市場が実現する前から、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクのベネルクス三国は国境検問を廃止し、その後EU全体の人・モノ・金・サービスの自由な行き来へと発展するさきがけとなった。こうなると、フランスからカルフールが、ドイツからアルディやリドルが続々と進出し、地元のスーパーがどんどん消え、かつてのナポレオンやヒットラーなどによる侵攻を思わせて、快くは感じない現地人も多かった。

日本で、「欧州」の化粧雑貨店として知られるのは、英国のブーツ(Boots)くらいだろうか。ベルギーでは、化粧雑貨チェーンといえば、ながらくDi(ディ)という名の地元チェーンの独壇場だった。そこへ、オランダからkruitvatというチェーンが参入し、急激にその勢力を伸ばしてきた。店名をカタカナで表記するのは難しく、オランダ語風な読みか、フランス語風な読みかにもよるが、ここでは「クラウトヴァット」としておこう。

赤と黄のコントラストが強烈なKruitvatのホームページ

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