ファンケルは、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」が実施している、令和5年度がん対策推進企業表彰で、最高位の「厚生労働大臣表彰 最優秀賞」を受賞した。本表彰は、がん対策に積極的に取り組む企業を表彰する制度。同社のがん対策推進に対し、検診体制、治療と仕事の両立支援、情報発信のすべてにおいて高く評価された。
「がん対策推進企業アクション」は、企業や団体と共に、がん検診の受診率を引き上げ、罹患しても働き続けられる社会の構築を推進している国家プロジェクト。2009年にスタートし、職域におけるがん検診の受診率向上を企業と連携し、がんと前向きに取り組める社会の気運を醸成。企業が率先して「がん検診受診」の大切さを呼びかけ、受診率60%以上を目指している。
がん対策推進企業表彰は、年に1回、現在約5000の推進パートナーである企業や団体の中から、当年度「がん対策」に積極的に取り組んだ企業や団体を選定して表彰が行われる。表彰の内訳は、厚生労働大臣表彰 最優秀賞1社、がん対策推進パートナー賞(検診部門・治療と仕事の両立部門・情報提供部門・中小企業部門)で、今年度の最優秀賞を同社が受賞した。
具体的には以下の取り組みを実施している。
■検診体制
・年齢に応じたがん検診を健康診断内に組み込み、費用の自己負担なしで就業時間内での受診を可能にしている。
・がん検診の受診状況などを把握する目的で、全従業員にがん検診に関するアンケート調査を健康管理システムで実施。必要に応じて、がん検診の受診を促すことを行う。
・全従業員が健康管理システムのメール機能を利用し、健康不安においてダイレクトに保健師へ相談ができるようにし、検診後のサポート体制も構築している。
■治療と仕事の両立支援
・本人の希望する時間や日数でフレキシブルに勤務できる「アソシエイト正社員」を導入し、正社員としての雇用を維持しながら、治療と仕事の両立ができる制度を導入している。
■情報発信
・がん治療と仕事の両立支援ハンドブックを作成し、いつでも閲覧できるようにイントラネットや健康管理システムへ掲載している。
・健康診断前にがん検診に関する医師のセミナーを開催し、適切な検診や、検診後の対応につながる情報発信を行う。
・社内保健師が全従業員に向けてがん検診の啓発活動を推進。2023年10月には、ピンクリボン月間にあわせてイベントを開催し、乳がんの自己チェックや検診の普及に向け、しこりの確認体験やリーフレット、乳がんグラブを配布して啓発を行った。さらに、家族や友人にも自己チェックや検診の必要性を伝えることの大切さや、男性でも乳がんになる可能性があることを伝えるなど幅広く情報を発信。
厚生労働省の調査では、がん患者の約3人に1人は、20代から60代でがんに罹患し、多くの方が仕事を持ちながら通院しているという報告がある。同社は、すべての方に「健やかで自分らしいいきいきとした生活を送っていただきたい」と考え、製品やサービスで社会課題の解決に取り組んでいる。がんの罹患数が増加し続けている中、今後も、従業員の健康づくりのみならず、再受診率を上げて早期発見に努め、罹患した場合でも安心して治療と仕事の両立ができるサポートの仕組みを構築し、自分らしく生きがいを感じながら働き続けられる体制づくりを推進していく。