アルビオンは、2018年から秋田県にある自社の白神研究所にてシャクヤクの新品種“夢彩花”の有機栽培に取り組み、この度、その根を生薬原料として出荷・販売することに成功した。新品種“夢彩花”の根が生薬原料として利用されるのは、今回が初めてである。
アルビオンは、2018年から2022年の5年間で行われた、日本医療研究開発機構(以下AMED)の委託研究である「薬用植物の国産化・品質向上に向けた栽培技術の開発」に参加し、花部の化粧品原料化とあわせて、薬用植物の国内生産量の増加を目指した産地拡大のための研究の一環として、秋田県にある白神研究所にてシャクヤクの新品種“夢彩花”の栽培に取り組んできた。
“夢彩花”は、同研究にも参加している国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センターで育種され、2021年に品種登録された。シャクヤクでは最も新しい品種(2023年12月現在)であり、花が大きく可憐であることに加え、根の収穫量も従来品種に比べ多いという特性がある。アルビオンでは、同所との間に本品種の栽培権のライセンス契約(品種利用許諾契約)を締結、その成果を活用することで、秋田県にて初めてシャクヤク“夢彩花”を有機栽培することに成功した。
アルビオンは化粧品原料として“夢彩花”の花に着目し、そこから機能性エキスを開発。2023年5月に“夢彩花エキス”を配合した化粧品『アルビオンエクラフチュールt』を発売。その一方で、生薬原料となる根の収穫を目指して栽培を続けてきた。通常シャクヤクの根が収穫できるまでには元となる株を植えてから5年前後の年月がかかる。この度、栽培開始6年目で根を生薬原料として出荷、販売することに成功した。
これによりAMEDの委託研究の目標である、薬用植物の国内生産量の増加に貢献することができた。加えて、新たに育種されたシャクヤク品種“夢彩花”の根の生薬原料としての利用も初めてとなった。
アルビオン白神研究所では、安心・安全を第一に自社の化粧品に配合するための植物原料を有機JASに適合した農法で栽培している。“夢彩花”も同じ条件で栽培したものであり、太くて長い根が出荷できるよう、自らの手で収穫や分別を行っている。そのため、化粧品会社が自社の化粧品原料として利用する植物と同じレベルで高品質な生薬原料として出荷ができた。
出荷した根を取り除いた残りの部分は、複数に分割し畑に植えることで数年後には花や根が収穫できるほどに成長する。根を生薬原料として出荷しながら、継続的に秋田県におけるシャクヤクの生産規模の拡大を進めていく。
今回のAMEDの委託研究で得た知見を活かし、引き続き安心・安全なシャクヤク根を生薬原料として出荷していく。