アルビオンが中国市場の開拓に本腰を入れる。中国は、世界最大級の消費市場であるとともに、依然として化粧品の需要も旺盛である。その分、世界中のラグジュアリーブランドが成長を求めて積極的な投資をしており、一筋縄では勝ち抜けない市場になっている。アルビオンの小林勇介常務取締役国際事業本部本部長は、2021年3月期決算会見で、中国戦略の再構築を宣言。スキンコンディショナー(スキコン)、アンフィネスシリーズへの投資拡大、直営店の展開を明らかにしている。小林本部長に中国戦略の狙いについて聞いた。

成長だけでは満足できない

――中国戦略の再構築を打ち出した理由は何でしょうか。

小林 アルビオンの中国参入は20年以上前のことです。日本と同じように、現地に根付く化粧品専門店さまと一緒に歩み、今でも400店近い専門店さまが5年、10年とお客さまづくりを続けています。その結果、アルビオンのことが大好きで、高級品を使い続けるお客さまを獲得できたことは間違いありません。ただ、中国の経済発展は目覚ましく、市場環境は大きく変わっています。アルビオンは、4年ほど前から百貨店やEC、免税店への出店を強化し、中国のお客さまが買いやすい環境を整えてきました。とはいえ、90年代生まれ、2000年代生まれの若年層が消費の主役になるなか、ブランド、商品の認知を広げていくのは、日本で支持されている高級化粧品ブランドであるだけでは足りません。求められるのは、中国のお客さまにアルビオンの良さを強く訴えていくことです。中国では世界中のブランドがECに大きな投資を行っていますが、アルビオンは同じ土俵には乗りません。お客さまづくりは、販促ではなく、商品の良さを肌で感じていただくことの積み重ねです。日本で脈々と続けてきたアルビオンの肌実感第一のお客さまづくりを中国でも展開していきたいと考えています。

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