過去の延長線上で物事を考えない

――新型コロナによる消費環境の変化をどのように捉えていますか。

小林 高級化粧品に限って言えば、コロナによる変化はないと考えています。当然、人流が少なくなったのですから、業績は我慢の時期が続きます。しかし、アルビオンは、2015年から19年の間、インバウンドの恩恵を受け、多少なりとも蓄えがある。我慢の経営を続けることができるので、市場環境の正常化に備えることを重視しています。また、緊急事態宣言下において、取引先の休業が相次いだことから、臨時措置としてECでの販売を行いました。ですが、現状のECの仕組みでは、高級化粧品に対するお客さまのニーズは満たせない。国土の狭い日本におけるEC活用は、諸外国以上に創意工夫が必要。そう判断しています。マスク生活が終わるのが3年後なのか、4年後なのか。それは分かりませんが、高級化粧品は、商品、接客、空間にこだわり続けることが大切。市場環境の正常化に備えるとは、そういうことでもあります。

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