溝呂木健一(みぞろぎ・けんいち)

化粧品会社にて販売会社、海外駐在、商品開発担当、ブランドマネージャー、部門長を歴任。退社後は平成国際大学にて教授、学部長、副学長を歴任。

専門科目はマーケティング論、企業論、経営学。現在は同大学名誉教授、経営コンサルタント、日本語教師。著書に『会社員から大学教授になった父が』(風詠社)、『日本の心がマーケティングを超える』(共著・税務経理協会)。

寝室に置く時計を買った。時間が分かればよいので安価なものにした。結局、四個の時計を買ったが満足に至っていない。1個目は枕元に置くと、不規則な機械音がカチカチして眠りを妨げられる。2個目は100円ではないが100円ショップで買った。1カ月くらいで分解してしまった。3個目は音が耳に届かないように壁掛けにした。蛍光機能がなく暗い寝室では文字が見えないことが分かった。4個目は暗くても見えるようにとLED発光のデジタルにした。今度は、その白色発光がまぶしくて眠れない。

寝室で時間が分かればよかった。私のニーズが特殊だったのだろうか。単純なニーズも満たされなかった。供給者はそれらの不都合には気付かなかったのだろうか、供給者に言わせると「そんな細かいことは我慢しろよ、この値段なのだから」と言われそうだ。

商売をすれば多かれ少なかれ世の中に対しての責任が生まれ、評価も受ける。どんな商品を取り扱うか、どう商売をするか、経営者の意識と人柄が商売に表れる。これまで、それら商品の生産国は気にしていなかったが、改めて生産国を確認すると、全てが、かの国、原発処理水には細かい気配りをする国の産だった。

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