溝呂木健一(みぞろぎ・けんいち)

化粧品会社にて販売会社、海外駐在、商品開発担当、ブランドマネージャー、部門長を歴任。退社後は平成国際大学にて教授、学部長、副学長を歴任。
専門科目はマーケティング論、企業論、経営学。現在は同大学名誉教授、経営コンサルタント、日本語教師。著書に『会社員から大学教授になった父が』(風詠社)、『日本の心がマーケティングを超える』(共著・税務経理協会)。

首都近郊のある化粧品店は〝お客さまを好きになること〟〝ありがとうと言われること〟を基本的な経営理念としていた。会員2000人に、販促ハガキは一度に出さないで、200人ずつ出す。リターンは30%から40%ある。家賃の高い場所であっても、お手入れの美顔イスを2台、ゆったりと置いてエステティックのような美顔サービスをしていた。

以下、奥様の話。

――新しいお客さまが来たの。主婦のような人でね。1時間ぐらいかけてお手入れをして、手入れ法、お似合いのメイクアップ法など説明してあげたの。最後に、もしこの美容法でお手入れをするならば、と商品をそろえたら10万円位になっちゃったの。

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