NATOの首脳会議ですんなり決まるはずだった。アメリカが賛成し、イェンス・ストルテンベルグ事務総長が主導していたのだから。ところがフランスが反対し、全会一致での合意が必要なため、日本にNATOの事務所を設置することは見送りになってしまった。反対の理由はもっともなものだった。NATOは北大西洋条約機構なのだから、東アジアにまで拡大すべきではないというのだ。

もちろん、フランスの本音は中国を刺激したくなかったからだろう。この連載でも指摘したことだが、ウクライナでの戦争の調停役に中国をという期待感がある。日本は、軍事基地なら問題視されるだろうが、まずその東アジアでの足場となる事務所の設置をと働きかけ、NATO内部の対中強硬派の賛成を取り付けたものの、フランスに潰された。

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