丸紅ロジスティクス、ブリヂストンサイクル、ファイントゥデイは、持続可能なサプライチェーン構築に向けた、物流分野における環境負荷低減と、いわゆる「2024年問題」(時間外労働に対する新たな上限規制によるトラックドライバー不足の問題)等に対する取組みとして、3社共同で、異なる輸出入者間における「コンテナラウンドユース」の本格運用を10月より開始した。

持続可能な社会の実現に向け、企業経営においてもESG(環境・社会・ガバナンス)の重要性はますます高まっている。その中でも、カーボンニュートラルの実現に向けた温室効果ガスの削減は非常に重要な課題の一つとなっている。またトラック物流業界においては、いわゆる「2024年問題」や、ドライバーの平均年齢上昇などによる人材不足が見込まれており、より効率的な物流の構築は喫緊の課題となっている。

そのような背景のもと、より環境負荷が少なく、持続可能な物流の実現をブリヂストンサイクルおよびファイントゥデイにおいて模索していた中、丸紅ロジスティクスの商社系物流会社としてのネットワーク、およびこれまでの物流共同化の実績を生かし、今般の3社連携によるコンテナラウンドユースのスキーム構築に至った。

同取組みは、丸紅ロジスティクスが構築したスキームのもと、中国から自転車の製品・部品を輸入するブリヂストンサイクルが使用したコンテナを、ファイントゥデイの物流拠点に直接輸送し、そのまま中国向け製品の輸出に使用するもの。これにより、ブリヂストンサイクルとファイントゥデイが従来それぞれで行っていた、各社拠点と東京港との間の、空コンテナの返却輸送・送り込み輸送の工程を削減し、より効率的な物流を実現する。

本年8月からテスト運用を開始し、このたび、安定的なオペレーションを継続できる目途が立ったため、10月より本格稼働をスタートさせた。

一般的に、異業種間でのコンテナラウンドユースでは、それぞれが扱う物量や立地等の各種制約によりコンテナマッチング率の向上は難しいと言われている。今般の3社スキームにおいては、ブリヂストンサイクルおよびファイントゥデイの物量の親和性、および相互協力体制、さらに丸紅ロジスティクスが2社用に設置したコンテナのデポプール活用により、安定的オペレーションを実現した。

同取組みによって、2社における想定CO2排出量は、取組みを行わなかった場合に比べ最大24%(年間約160㌧)、ドライバー拘束時間は同じく最大30%(年間約6600時間)の削減が見込まれる。今後、運営課題を解決しながら、60%~80%の高いコンテナマッチング率の実現に向けて運用していく。