「大手を中心に値上げは容認してもらえる状況になっている」。新型コロナ、原油価格高騰、ロシアのウクライナ侵攻といった複合的な要因で、化粧品の原材料価格は高騰の一途。いつ落ち着くかの見通しが立たない状況が続いている。素原料の価格高騰であらゆる原材料が値上げ傾向にあり、その頻度も増えているため、化粧品メーカーやOEMの調達部門はその対応に追われている。原料供給会社も素原料の値上げの頻度が高まっており、その対応のために専門チームをつくるところも出てきている。とどまるところを知らぬ原料価格の高騰に、理由などの詳細は求められるものの、業界内では値上げを容認し、最終価格に転嫁する状況を受け入れるようになっている。

化粧品メーカーに比べてOEMの対応は相対的にシビアだ。大手OEMは値上げの時期を何とか先延ばししようとするもののおおむね了承するが、なかには値上げの相談のアポイント取りすらのらりくらりとかわし、値上げの期限直前になってようやく面会し、そこで難色を示すところもある。トップは理解を示していても、担当窓口は必ず難色を示すという構図。コロナ以前から、歴代の窓口担当がほぼ同様の対応をすることから、ある種社風といえるが、原料メーカーは、「何度もアポイントの連絡をしたり、何度も相談に赴く労力はバカにならない」と嘆く。

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