SNSなどで突発的に人気になる「バズコスメ」。その対応がますます難しくなっている。コロナ下で変化した生活様式、SNSを見る時間の増加などによってSNSによる影響は以前にも増して大きくなる一方で、バズった商品の瞬間的な売り上げはさらに高く、そしてその期間が短くなっているのだ。「特にティックトックでのバズの扱いが難しい印象です。バズる商品には共通点もなく、まったく予想できないので、商品は完売。店頭はどこもボロボロです」と小売関係者はため息を吐く。
売り上げのピークが高く、短期化していることは、これまで以上に機会損失の可能性が大きくなっていることを示す。例えばバズの反響が2週間以上続くならば、卸から店頭へと新たに多くの在庫を補充し、需要に対応することができる。しかし、これが3~4日で終わってしまえば、その供給は間に合わない。となると対策として在庫を多めに持つことになるが、それもまた現実的ではない。「従来は、発売してすぐに売れるか売れないか分かって売り場を整理していたが、バズるバズらないも考慮すると、ちょっと時間を置いて売れるなどの可能性も出てきて、より店頭オペレーションが難しくなっている」(小売関係者)。あらゆる商品の店頭在庫を大量に持つことは、バックヤードのスペースを圧迫する上に、結局売れなかったときに返品を増やすこととなる。環境負荷低減を目指し、さまざまな方法で業界の悪しき風習であった返品問題を解決しようとする昨今の潮流に逆行する考えだ。
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