国民皆歯科健診が骨太の方針に載った

岸田(文雄)政権が2023年6月16日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針)」の内容に、オーラルケア業界の関係者は胸が高鳴ったのではないか。健康寿命を延伸し、高齢者の労働参加を拡大するための方策の一つとして、次の文言が明記されたからだ。

「リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進を図る。全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の集積・活用と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士等の人材確保の必要性を踏まえた対応、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する」

骨太の方針にオーラルケアを構成する多種多様な要素が幅広く明記されたのは、エポックメイキングな出来事だ。特に国民皆歯科健診が導入されれば、日本の生活者はオーラルケアを意識する機会が増え、歯科医院に通う回数は増えるだろうし、それに伴いセルフケアへの興味・関心も高まる。オーラルケアは、少子高齢化が進む国内市場において右肩上がりに拡大してきた稀有な存在だが、政府を挙げた取り組みが本格化すれば、一段の市場活性化が期待できる。

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