訪日客の伸びに比べると化粧品のインバウンドは伸びていない――。東京都内の百貨店に共通した見方だ。日本政府観光局が発表した1月の訪日外国人数はコロナ前の2019年1月に比べ55.7%の水準まで回復してきた。百貨店のインバウンドも戻りつつあり、三越伊勢丹HDが前年比367.1%、高島屋249.9%、松屋が2080%と急回復。しかし、その中身を見ると円安の影響で、絵画などの高額品に消費は集中しており、「中国人が来ていないので、店の免税の売り上げに比べても化粧品は戻ってきていない」(銀座松屋)状況だ。

銀座松屋では館全体のインバウンドの売り上げは、すでに19年を超えるほどの勢いだ。ディオールなど2時間待たないと店に入れない状態が続いていて、欧米や東南アジアの富裕層を中心に腕時計や宝飾品を買っているという。一方、化粧品は、まだ「戻っていない」としながらも、全体の売り上げのうちインバウンドの占める割合は全盛期の55%には及ばないが、20%まで回復している。購入者はコロナ前に8割以上を占めていた中国人ではなく、欧米人と東南アジアの富裕層が中心だ。

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