花王とコーセーは、持続可能な社会の実現をめざし、化粧品事業のサステナビリティ領域において包括的に協働することに合意し、両社によるプロジェクトチームで検討を進めている。第一弾として、2022年2月から、花王が推進する「化粧品プラスチックボトル水平リサイクルへの取り組み」と、コーセーがモーンガータに協力してきた「絵具などへの化粧品再生利用の取り組み」における協働を開始した。
以降、両社における取り組みが、それぞれ具体的に進んでいる。コーセーは、22年12月より、順次、複数ブランドでケミカルリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)素材の採用をスタート。またモーンガータとの取り組みについては、絵具に引き続き、化粧品のインキの色材への再利用にまで拡大し、花王も、インキ化への実現に向けた検証を22年11月より開始した。今後も両社が協働することの社会的意義を踏まえ、さらなる協働拡大と推進の取り組みを強化していく。
■「化粧品プラスチックボトル水平リサイクルへの取り組み」について
花王では、21年6月より「TWANY(トワニー)」をはじめとするスキンケア商品のプラスチックボトル容器に、株式会社JEPLANのグループ会社であるペットリファインテクノロジーが製造するケミカルリサイクルPET素材を採用している。さらに今年7月からは、ファンデーションの中皿にも採用をスタートし、こちらも「media luxe(メディア リュクス)」をはじめ採用ブランドの拡大が順調に進んでいる。
また、実際にお客が回収した使用済み化粧品ボトルを用いた水平リサイクルも検討を進めており、22年2月から7月末までの期間、店頭にてボトル回収を実施。現在は、店頭回収における課題抽出や、回収後の再生化・実装化に向けた解析作業を進めている。
一方、コーセーでも、スキンケアブランド「雪肌精」1商品と「プレディア」4商品のボトル容器を皮切りに、ケミカルリサイクルPET素材の採用を、22年12月より順次スタートする。
■「絵具などへの化粧品再生利用の取り組み」について
コーセーは、21年3月より、使われなくなってしまったメイクアップ化粧品を再生利用し、絵具などの色材を製造・販売するモーンガータの取り組みに協力している。また、本年10月からは、モーンガータと凸版印刷が開発し、東洋インキが協業して製造する、メイクアップ化粧品をインキの色材として再利用した「ecosme ink(エコスメインキ)」の開発に協力。ギフトボックスやショッパーバッグなどの包装資材の印刷に活用していく。
花王も、この取り組みに賛同し、22年4月より、研究所における品質追求・品質管理の過程で、最終的に商品にならなかった化粧品を、モーンガータへ提供している。すでに、メイクアップ化粧品を再利用した絵具を活用し、新商品イベントでの塗り絵体験会や子ども向けイベントを実施するなど、取り組みの幅は広がりつつある。そして、メイクアップ化粧品のインキの色材への再利用の取り組みについても、11月より試作と検証を開始するなど、早期実現に向けた検討を進めている。