コーセーは10月26日、モーンガータ(東京都練馬区)と凸版印刷(東京都文京区)が開発し、東洋インキ(東京都中央区)が協業して製造するメイクアップ化粧品をインキの色材として再利用した「ecosme ink(エコスメインキ)」の開発に協力し、今後、コーセーで使用するギフトボックスやショッパーバッグなどの包装資材の印刷に活用すると発表した。
コーセーは、中期ビジョン「VISION2026」のコーセー サステナビリティ プランの中で、「ビューティを通じた環境課題解決への貢献」を掲げており、2021年3月から、同社で役目を終えた化粧品を価値ある資源として活用するアップサイクルの取り組みとして、余ったメイクアップ化粧品から絵具をつくるモーンガータの事業に、原料となる化粧品を提供する形で支援してきた。
そうした中、今回、モーンガータは凸版印刷と東洋インキと協業し、余った化粧品を活用した印刷用インキ「ecosme ink」の開発。「ecosme ink」は、従来のインキにはない、化粧品の持つ色味やラメ感、パール感を生かした独特な加飾表現が可能となる。「ecosme ink」には、コーセーが提供した役目を終えたメイクアップ化粧品が使われている。
コーセーは、「ecosme ink」を、包装資材等の印刷に活用し、役目を終えた化粧品のアップサイクルによる、環境への負荷軽減に取り組んでいく。将来的には、コーセーグループのさまざまなブランドで商品包装や店舗什器などにも応用することを検討。
同社で不要になった化粧品を、上記3社による管理・調達、インキ製造、印刷物制作の過程を経て、再度、コーセーで活用するという循環型アップサイクルの仕組みにより、企業としての環境負荷低減を推進する。
なお、この取り組みは、コーセーが花王と、21年10月から推進している化粧品事業のサステナビリティ領域での包括的な協働における「絵具などへの化粧品再生利用の取り組み」の一環。今後も、コーセーとしてのサステナブルな活動を推進するだけでなく、両社の強みを持ち寄り協働することで、化粧品事業における持続可能な社会の実現に寄与するソリューションを見出していく考えだ。