花王と、AI・ビッグデータサービス事業などを展開するMILIZE(ミライズ、東京都港区)は10月19日、MILIZEが開発する予定の「AI健康可視化ツール」に、花王の「仮想人体生成モデル」を活用する、新たな取り組みを行なうことで合意したと発表した。

同ツールは、現時点での将来の医療費を推計して可視化し、健康につながる行動変容を促すためのツールとして、2023年の提供開始に向けて開発を進めていく。

「AI健康可視化ツール」の操作画面イメージ

具体的には、健康診断データや、毎日の健康につながる行動・体の情報(歩数、体重、睡眠時間、運動量、健康食品の摂取、ライフスタイルの変更など)を入力すると、その健康状態や行動情報をお金に換算して表示し、将来の医療費を推計することができる。

また、花王の「仮想人体生成モデル」を用いて、さまざまな行動や習慣、体の状態の中から病気に関連する可能性の高い項目を推定。この情報を用いて、ユーザーの健康習慣の維持や、病気に影響を与える可能性のある健康状態の改善を目的とした日々の行動変容を促進する。定期的に健康状態やライフスタイルを入力してデータ量を増やすことで、よりユーザーに合った健康につながる行動のアドバイスや、精度の高い将来の医療費を推計できるという。

さらに、企業の健康経営に活用することも可能だ。従業員の健康診断データと簡易入力データで、社員の将来の健康状態を可視化することで、健康増進・医療費低減を支援。お金のライフプランシミュレーターである、MILIZE 法人・職域向けサービス「milizePro」機能の追加も検討する予定。

健康データを持つ企業や、ヘルスケアアプリ・Webサービス提供企業に対して、API経由での提供も予定している。