ポーラは7月6日、製品の輸送、保管などに使用する物流資材として、素材の一部に海洋プラスチック(OBP:オーシャン・バウンド・プラスチック)をアップサイクルしたリサイクルパレットを、7月から導入開始すると発表した。OBPとは、海岸線から50キロメートル以内の内陸部で正式な廃棄物処理を行っていないコミュニティから収集されたプラスチック素材のこと。

現在ポーラでは約1万5000枚のパレットを保有しており、5年で全てのパレットをこのパレットに交換することを目指している。全て導入完了すると、バージン材と比較して16万9832キログラム、杉の木で換算すると1万2131本分のCO2排出量削減と、海洋プラスチックごみ約7.5トンの流出防止につながることが期待できる。

なお、物流資材にOBPを活用したリサイクルパレットを導入するのは化粧品業界では初となる。

ポーラは、2029年までのサステナビリティゴールの一つに「未来に、次世代に環境をつなぐアクション」を掲げ、お客への「新たな価値提供の実現」を前提としながら、同時に「環境に配慮したサービス」を目指してさまざまな環境負荷低減の取り組みを行っている。

そうした中、今回、物流に関する取り組みの一つとして、ポーラが製品の輸送、保管の際に使用する物流資材に海へ流れ出る可能性のあるプラスチックごみをアップサイクルしたリサイクルパレット(メーカー:岐阜プラスチック工業株)を採用。

近年、廃プラスチックによる環境問題が世界的に注目を集めているが、中でも海中、海辺に捨てられた海洋プラスチックごみが大きな問題となっている。今回採用したパレットは、バージン材と比較しCO2削減効果の大きい再生材を使用したパレットに海洋プラスチックごみをアップサイクルし、リサイクル材として一部活用することで、世界的に問題となっている海洋プラスチックごみ問題の解決に寄与することができるという。