ヘアケアブランド「ウエラプロフェッショナル(以下ウエラ)」売却が再びうわさになっている。ウエラは1880年にドイツで誕生した。特にプロフェッショナル市場に強く、日本ではシェアトップに立ったこともある。ブランド衰退の始まりは、2003年にP&Gに買収されたこと。コンシューマー事業に強いP&Gとの相乗効果が思うように生まれず、16年にコティグループに売却された。しかし、コティもP&Gから得たウエラを含む41ブランドの立て直しに失敗。20年6月にウエラなど、プロフェッショナルビューティおよびヘアケア部門の大半をグローバル投資会社KKRに売却した。そして今回、ヘンケルがウエラ買収に名乗りを挙げた、という新たなうわさが流れている。もともと同社は、P&G買収時に応札した経緯があることから、もしウエラ買収が実現したら20年以上前からの悲願が成就することになる。

ヘンケルのウエラへの興味がまことしやかに語られるのは、ヘンケルにとってウエラが価値あるブランドだからである。例えば、日本市場における存在感が一気に高まることだ。ウエラの日本事業は、「コレストンパーフェクト」と「イルミナカラー」による高価値ヘアカラー提案、ヘアケアシリーズ「システムプロフェッショナル」がディーラー(代理店)と美容師に広く支持されている。「売り上げは絶好調とは言わないが、満足できる数字だ」(大手ディーラー幹部)。

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