資生堂ジャパンは「お客さまに最高の喜びをお届けする」ことを通じて、日本のお客に信頼されるビューティーカンパニーになることを目指している。この未来に向けて挑むのが、高収益事業基盤の再構築。社員一人ひとりが自ら考え、行動し、生活者、お客、取引先の期待に応えることで実現する考えだ。資生堂ジャパンを率いる直川紀夫社長は、2020年10月の着任以来、社員の力を引き出し、強い組織に導くことに力を注いでいる。それは短期での業績回復だけを目指すものではなく、まさに5年、10年と持続的成長ができる企業への道を拓くものだ。資生堂ジャパンの現状と今後の展望について、直川社長に話を聞いた。(インタビュアー・本誌主幹 栗田晴彦)

一人称で考える組織風土を醸成

――コロナ禍での社長就任。この間、苦労が多かったのではありませんか。

直川 私が日本事業に戻ってきたのは、約20年ぶり。物事の全ての答えがある現場にコロナ禍で足を運び難かったことが辛かったですね。ただ、社長に就いてから、全国の営業社員を含めて45回ぐらいのセッション(対話)を行いました。私が考えていることを、それこそ1文1句変えずに話すことから始めました。その後は社員からのフィードバックを受けながら、3カ月に1度のペースでセッションをやっていますから、現場との対話は深まっていると思います。

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