研究開発型受託製造企業へのレベルアップが求められる

インバウンド需要の消失、外出頻度の低下、マスク着用の常態化。コロナ禍により化粧品業界は厳しい状況が続いている。メーカーから製造を受託するOEM/ODM企業も程度の差こそあれその影響を受けており、引き続き難しい舵取りが求められているのが実情だ。2020年は、店頭で品薄になった手指消毒剤の需要に対して化粧品受託製造業全体で対応。各社の業績を下支えした格好だが、アルコールが安定供給されるようになるとその状況も一服感が出てきている。改めて、化粧品OEM/ODMとしての研究開発、商品開発、製造にかかわる技術開発を深掘りし、新たな価値を創造するとともに、それをいかに取引先に提案し採用してもらうかが重要な段階に来ていると言えそうだ。化粧品受託製造業各社の経営層が、「いいものをつくりさえすれば売れるという時代ではない」と口をそろえることからもそうした事情がうかがえる。

15年から拡大したインバウンド需要に対応するため、各社が生産体制の充実を図っており、この部分についてはほとんどの企業が目標とする体制づくりにめどがついてきている。インバウンドが消失した今となっては、生産だけであればどこでも対応できるくらいの余地がある。むしろインバウンド最盛期には自社の生産では間に合わず、協力先製造企業に再委託していたOEM/ODM企業でも委託先を絞り込むなど、生産体制の最適化を進めている段階だ。

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