「学術論文は『広告』ではない」。今年6月に最高裁判所が薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)違反事件の裁判で、こう断じた。課徴金の導入など厳しさを増す薬機法運用において、事業者には朗報と言えよう。実はここ数年の薬機法をめぐる規制の強化も、今回の緩和も、ある事件への対応の結果、起こったことだ。

それはディオバン事件。ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」について、同社の社員が京都府立医科大など五つの大学で行われた臨床試験に関与、発表した5論文について、他の薬よりも優れているようにデータなどを捏造した問題だ。さらにこの論文を専門誌などで広く告知していた。事件に際し、行政は臨床試験の公正さを担保するため、2017年に「臨床研究法」を成立させる。19年には薬機法を改正して、違反に課徴金を科すなど、虚偽誇大広告への罰則を厳しくした。薬機法は化粧品、医薬部外品なども規制対象とするため、化粧品業界もこの規制強化に身構えた。

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