居松さんは、ギャラリー運営から転身し、2019年1月に、企業向けアートサブスクリプション事業を中心としたベンチャー企業である、アートテクノロジーズ株式会社を創業されました。起業3年目にして早くも、主力事業である「アート・プレオプション」は約50社、800点を超えるアートを導入しており、三菱地所の有楽町エリアにおけるオフィスビルプロジェクト「Shin Tokyo 4TH」にてディレクションを担当するなど、注目を集めています。また、19年には新進気鋭アーティスト100名の作品を一律10万円で販売するアートコンペティション、「ART START UP 100」を代官山ヒルサイドテラスで開催して話題になりました。今回は、そのような会社の設立に至った経緯や、居松さんの理念、それぞれの事業の具体例、今後の展望などについてお伺いしたいと思います。

ゲスト 居松篤彦(アートテクノロジーズ代表取締役)写真右

ファシリテーター 菊池麻衣子(「パトロンプロジェクト」主宰)写真左

菊池麻衣子(以下、菊池)居松さんは、早い段階でアートをお仕事にしようと考えていらっしゃったのでしょうか。

居松篤彦(以下、居松)はい、祖父は掛け軸をつくる職人でしたし、父親は名古屋で画廊を経営していまして、幼い頃から家に飾ってあるアートに関する会話も多く、美術館によく連れて行ってもらったりと、アートへの親しみはありました。子どもの頃からお年玉で作品を買うこともしていましたが、「絵を描きたい」という気持ちよりも、そういった環境の中で、アート作品に価値をつけることの面白さと、それを続けていくことの苦労を痛感していたので、自然にその道へ入っていったという印象です。余談ですが、母親の実家はマグロの仲卸をやっていまして、作品を競り落とすということにも親しみがあったのかもしれません。

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